ジャンル 人間の探求

中野校

宗教と現代社会―親鸞聖人の生き方に学ぶ 「生まれてきてよかった」と心から言えるために

  • 冬講座

中下 大樹(真宗大谷派僧侶、労働者協同組合「ワーカーズ葬祭&後見サポートセンター結の会」代表理事)

曜日 土曜日
時間 15:05~16:35
日程 全4回 ・02月10日 ~ 03月02日
(日程詳細)
02/10, 02/17, 02/24, 03/02
コード 340519
定員 24名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 11,880
ビジター価格 受講料 ¥ 13,662

目標

・そもそも宗教とは「生きるとは何か?」「人間とは何か?」「何故、死んで逝かなければならないのか?」など、人間の根源的な問いから生まれたものです。そして、それら究極的な問いを大切にし、安易に答えを提供するのではなく、苦悩する人間そのものに寄り添ってきたのが仏教であり、浄土真宗の宗祖・親鸞聖人です。
・親鸞聖人は、①答えではなく、問いを大切にした仏者②分からないということを大切にした仏者③関係性(人とのつながり)を通して、思いもかけない方向から、様々なことを教えられることを大切にした仏者です。
・この講座では、親鸞聖人の言葉や生き方に学びつつ、緩和ケア病棟(ホスピス)での末期医療、認知症、尊厳死、孤立死、相続対策、葬儀・墓を巡る諸問題等、死の臨床現場での講師の経験をもとにお話させて頂きます。その上で、自身の生き方を見つめ、安心して悩み、正々堂々と生きていく覚悟を養いつつ、人間存在そのものを正面から根源的に問うことを目標とします。

講義概要

2025年問題を持ち出すまでもなく、日本社会は今後急速な「多死社会」を迎えます。しかし、私たち現代人は、確固たる「死生観」や死に対する「哲学」を持っているのでしょうか?人生の最期に「生まれてきてよかった。幸せだった」と心から言える人生を、私たちは送っているでしょうか?この講義では、親鸞聖人の生き方に学びつつ、私たち自身の生き方を根本から見つめ直し、生きること、死ぬことを肯定的に捉え、現代の多死社会への理解を深めます。その上で、死から目を背けず、各人がどのように死を迎え、自分らしい生を全うするかを考えることを通じ、仏教的死生観を養い、よりよい「生」を考えるきっかけとなるような講義を目指します。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 02/10 現代に生きる人間の問題点 緩和ケア病棟(ホスピス)での末期医療、認知症、尊厳死、孤立死、相続対策、葬儀・墓を巡る諸問題等、「死の臨床現場」での話を、講師の経験をもとにお話しさせて頂いた上で、現代に生きる人間の死生観・宗教観について考察します。
2 02/17 孤独と不安の中で〜地獄とは何か〜 病院で数百名の末期がんの患者さんを看取り、2000人以上の葬送支援の現場を通じて見えてきた「人間の姿」について、宗教的に考察します。
3 02/24 宗教とは何か〜答えから問いへ〜 宗教とは、安易な答えを提供して、一件落着とするのではなく、問いを大切にし、苦悩する人間に寄り添うものです。それが仏教であり、親鸞聖人の教えです。現代社会の様々な問題を通じ、仏教的死生観について考察します。
4 03/02 「愚かさ」の大地に立つ 人間はどこまでいっても自己中心的な存在です。その眼で、良い悪い・勝った負けたと呟き、一喜一憂しているのが、私たち凡夫の姿です。この救われない私に対し、救わずんばやまんと呼びかけ続ける仏の教え(本願)について考察します。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆講師が一方的に話すだけの講座ではありません。受講生の皆様と顔の見える関係を目指すと共に、感染症対策を行いつつ、可能な限り、車座になって語り合うことを重視します。しかし、発言することが苦手な方は、他の受講生の皆様のお話を聞いていただくだけでも結構です。他の受講生の方の話を丁寧に聞くだけでも、学べることがたくさんあると考えております。老若男女問わず、どなたでも受講できます。

講師紹介

中下 大樹
真宗大谷派僧侶、労働者協同組合「ワーカーズ葬祭&後見サポートセンター結の会」代表理事
大学院でターミナルケアを学んだ後、真宗大谷派(浄土真宗)僧侶となる。その後、緩和ケア病棟(ホスピス)にて末期がん患者数百名の看取りに従事。病院退職後は、大学で教鞭を執りつつ、僧侶・葬儀社スタッフ、社会福祉士・精神保健福祉士として、多くの生活困窮者の葬送支援を実施。その他、東北の被災地支援、孤独死・貧困・自殺対策、成年後見人等の活動も行っている。
著書は、ホスピスや被災地の報告『悲しむ力』(朝日新聞出版)、『あなたならどうする 孤立死』(三省堂)、『死ぬ時に後悔しないために、今日から大切にしたいこと』(すばる舎)、『何があっても生きる〜孤立・貧困・自死の連鎖を断つ〜』(佼成出版社)など他多数。

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