ジャンル 文学の心

早稲田校

『新古今和歌集』を読む

  • 春講座

渡邉 裕美子(立正大学教授)

曜日 火曜日
時間 13:10~14:40
日程 全10回 ・04月09日 ~ 06月18日
(日程詳細)
04/09, 04/16, 04/23, 05/07, 05/14, 05/21, 05/28, 06/04, 06/11, 06/18
コード 110111
定員 30名
単位数 2
会員価格 受講料 ¥ 29,700
ビジター価格 受講料 ¥ 34,155

目標

・『新古今和歌集』の秋の中ごろの「月」の歌から一首ずつ味読する。
・作者や、その歌が詠まれた場や時代背景などにも触れて、より深く広く理解することを目指す。

講義概要

中世初頭に成立した『新古今和歌集』は、勅撰集の中でもっとも優美で繊細な美意識によることで知られています。今回は四季部の秋上巻の歌のうち「月」を詠んだ歌から読み始め、秋下巻の「鹿」「秋の田」の歌あたりを鑑賞します。歌ことばをひとつひとつ丁寧に確認して、一首が表している世界を味わうだけでなく、歌が配列されることによって、どのような意味を生み出しているかを読み解きます。また、作者や時代背景などにも触れて、深くて広い和歌の世界を楽しみたいと思います。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 04/09 「月」の歌(1) 新古今時代を代表する歌人たちの月の歌が秋上巻末まで続きます。式子内親王や藤原定家の美しい月の歌を鑑賞します。
2 04/16 「月」の歌(2) 引き続いて、新古今時代の月の歌です。「武蔵野」や「山田」などさまざまな場所から眺める月の歌を読んでいきます。
3 04/23 「月」の歌(3) 58首も続いた月の歌の歌群の最後の部分を鑑賞します。しっとり置いた「露」に射しこむ月光を詠む歌が並びます。
4 05/07 「鹿」の歌(1) ここから秋下巻が始まります。古くから秋の景物として好んで詠まれてきた「鹿」の声を新古今時代の歌人たちが、どのように詠みこなしているかを見ていきます。
5 05/14 「鹿」の歌(2) 引き続いて「鹿」の歌を読んでいきます。今回は、新古今時代の一世代上の歌人たちの歌です。
6 05/21 「秋の田」の歌 「秋の田」は古くから詠まれた景物で、今回は、柿本人麻呂や紀貫之の歌も混じります。そうした古い歌人の歌も新古今時代の美意識から選び取られた歌です。
7 05/28 「露」の歌 秋の野におく「白露」も古くから詠まれた景物です。大伴家持や柿本人麻呂など古代歌人の歌が並びます。
8 06/04 「虫」の歌 「露」の歌の後半は、新古今時代の寂蓮や後鳥羽院などの歌が並び、そこから「虫」の歌に続きます。「虫」の歌もまた伝統的な秋の景物で、『古今集』などに比べると歌数はずっと減って扱いが小さくなっていますが、新古今時代の歌人だけが選ばれています。
9 06/11 「砧」の歌 衣を柔らかくするために打つ「砧」(きぬた)の音も、伝統的に秋の歌に詠まれてきましたが、特に新古今時代に関心が高まった景物です。新古今時代の歌人が描く、砧の音が響く淋しくも美しい秋の夜の情景を味わいます。
10 06/18 「秋の夜」の歌 「秋の夜」の歌では、晩秋の「九月十三夜」の月が詠まれています。八月十五夜の満月を賞美して歌を詠むのは、漢籍からの影響によりますが、少し欠けた月を愛でるのは日本的な美意識によるものです。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆テキストはp. 198から開始予定です。

備考

※パンフレットの日程と変更になっております。

テキスト

テキスト
『新古今和歌集(上)』(角川ソフィア文庫)(ISBN:978-4044001025)

講師紹介

渡邉 裕美子
立正大学教授
早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程退学(研究指導修了による)。博士(文学)。専門分野は、和歌文学、中世文学。著書に、『新古今時代の表現方法』(笠間書院、角川源義賞受賞)、『歌が権力の象徴になるとき―屏風歌・障子歌の世界』(角川学芸出版)、『最勝四天王院障子和歌全釈』(風間書房、関根賞受賞)など。
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