ジャンル 日本の歴史と文化

早稲田校

開国期の日本旅行記を読む―イザベラ・バード『日本奥地紀行』

  • 春講座

加原 奈穂子(早稲田大学講師)

曜日 木曜日
時間 15:05~16:35
日程 全6回 ・04月18日 ~ 05月30日
(日程詳細)
04/18, 04/25, 05/09, 05/16, 05/23, 05/30
コード 110257
定員 56名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 17,820
ビジター価格 受講料 ¥ 20,493

目標

・イザベラ・バードの旅の足跡や背景を知る。
・開国期の日本の社会状況や暮らしぶりについて考える。
・日本人の国民性について考える。

講義概要

開国間もない日本を訪れた欧米人は、日本の社会や人びとの暮らし、国民性などについて数多くの記述を残しています。本講座では、その中でも19世紀に活躍したイギリス人女性旅行家イザベラ・バードの『日本奥地紀行』を取りあげます。外国人が珍しかった時代に、バードは東北から北海道、そして関西や伊勢へと旅をして、積極的に人びとの暮らしの中に入り、綿密な記述を残しました。『日本奥地紀行』には、日本文化を考えるうえで興味深い数多くのヒントが詰まっています。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 04/18 イザベラ・バードの人生と旅 イザベラ・バードは19世紀に活躍したイギリス人女性旅行家で、日本を訪れる前には、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、ハワイ諸島を旅し、その後も、マレー半島、インド、チベット、ペルシャ、朝鮮、中国などへ旅を続けています。バードの人生や旅の足跡を概観したうえで、日本での旅の性格と行程について考えます。
2 04/25 開国期の日本 バードが訪れた開国期の日本の社会状況や日本人の暮らしぶりについて、日本側の資料とともに、バードの前後に日本を訪れた欧米人が残した代表的な作品をもとに考えます。
3 05/09 イザベラ・バードが見た横浜、東京 バードは明治11年(1878)に約7ヶ月間にわたって日本に滞在し、東北・北海道方面と関西・伊勢方面を旅した成果をもとに『日本奥地紀行』を著しています。日本での旅の起点となった横浜や東京では、変わりゆく都市の姿を適確に捉えています。
4 05/16 イザベラ・バードが見た日本の暮らし バードは日本での困難な旅を通して日本人の暮らしをどのようにとらえたのでしょうか。バードの綿密な記述は、記録に残りにくい庶民の暮らしの実情をよく伝えてくれます。バードの観察を特に衣食住などの身近なテーマに注目しながら辿っていきます。
5 05/23 イザベラ・バードが見た日本の暮らし バードの綿密な観察による記述を、特に教育や衛生、医療、産業などの身近なテーマに注目しながら辿っていきます。
6 05/30 イザベラ・バードが見た日本の社会と国民性 バードにとって日本での旅の大きな関心事の一つが、キリスト教の伝道に関する視察でした。そうした関心もふまえたうえで、バードは日本の社会制度や信仰、国民性などについても、適確な観察と鋭い考察を残しています。バードが残した記述を手がかりに、文明開化の流れの中で変わりゆく日本社会と日本人の国民性について考えます。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆休講が発生した場合の補講日は、6月6日を予定しています。
◆『日本奥地紀行』には日本語への翻訳が複数ありますが、本講座では金坂清則訳注『完訳 日本奥地紀行』(全4巻)平凡社、2012〜13年、を使用します。
◆3/8(金)13:30より本講座の無料体験会を早稲田校で実施します。
◆体験会お申し込みはこちらから。
https://www.wuext.waseda.jp/course/detail/63029/

講師紹介

加原 奈穂子
早稲田大学講師
専門は文化人類学・民俗学。早稲田大学大学院文学研究科博士課程を経て、早稲田大学、東京藝術大学などで教壇に立つ。2006年度岡山民俗学会賞。共著に『桃太郎は今も元気だ』(岡山市デジタルミュージアム)、『珊瑚の文化誌』(第28回寺田寅彦賞)(東海大学出版会)、翻訳書に『アメリカの空へ』(出窓社)。パプアニューギニアの写真集『顔!パプアニューギニアの祭り』(西江雅之著)(左右社)では編纂と解説を担当。
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