ジャンル 日本の歴史と文化

早稲田校

人物でたどる戦国時代―黒田官兵衛の大出世の謎を解く

  • 春講座

渡邊 大門(株式会社歴史と文化の研究所代表取締役)

曜日 木曜日
時間 13:10~14:40
日程 全6回 ・05月09日 ~ 06月13日
(日程詳細)
05/09, 05/16, 05/23, 05/30, 06/06, 06/13
コード 110279
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 17,820
ビジター価格 受講料 ¥ 20,493

目標

・黒田官兵衛の出自にまつわる謎を理解する。
・黒田官兵衛の数々のエピソードが根拠のない創作であることを認識する。
・黒田官兵衛が豊臣秀吉に登用された理由、のちに仲違いした理由を理解する。
・黒田官兵衛が天下を取ろうとしたという話は、後世に成った逸話であることを認識する。

講義概要

黒田官兵衛と言えば、有能な軍師として知られ、人気のある武将の1人です。しかし、官兵衛の出自には多くの謎があり、また数々の有能だったことを示すエピソードは、後世になって創作されたものに過ぎません。本講座では官兵衛の出自を解き明かすことからはじまり、その死に至るまでの生涯を取り上げます。官兵衛が豊臣秀吉から重用された理由、その後、遠ざけられた理由に加え、本当に天下を取ろうとしたのかを考えます。官兵衛は秀吉に恐れられていたから遠ざけられたという説がありますが、根拠のない誤りです。官兵衛が天下を取ろうとしたという話も創作です。そうした官兵衛の生涯にまつわる問題点について、史料を挙げて詳しく解説します。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 05/09 黒田官兵衛の出自と主家の小寺氏 黒田官兵衛の出自は、近江佐々木氏説と播磨赤松説がありますが、どちらも間違いです。この回では諸史料を参照して、官兵衛の出自を探ります。あわせて、あまり知られていない主家の小寺氏の動静も取り上げます。
2 05/16 播磨時代の黒田官兵衛 黒田官兵衛は豊臣秀吉に従って中国計略に出陣し、特に調略戦で大いに貢献しました。この回では、天正5年(1577)10月から開始される秀吉の中国計略を中心にして、5年後の本能寺の変までの官兵衛の動きを検証します。
3 05/23 各地を転戦した黒田官兵衛 黒田官兵衛は、天下人となった豊臣秀吉の命を受けて四国、九州に出兵し、ついに豊後中津に知行を与えられます。ところが、官兵衛は中津に入る際、一揆が挙兵したので大変な苦労をします。この回では、その間における官兵衛の動向を詳しく解説します。
4 05/30 黒田官兵衛が豊臣秀吉に嫌われた理由 黒田官兵衛が豊臣秀吉から遠ざけられたのは、その才覚が恐れられたからではありません。官兵衛がキリシタンだったからでした。この回では、キリシタンだった官兵衛にスポットを当て、朝鮮出兵における両者の確執なども取り上げます。
5 06/06 関ヶ原合戦で活躍した黒田官兵衛 慶長5年(1600)に関ヶ原合戦が勃発すると、黒田官兵衛は東軍の一員として九州の西軍勢力を討伐します。子の長政も活躍しました。この回では、関ヶ原合戦における官兵衛・長政父子の動向を探り、その活躍ぶりを検証します。
6 06/13 晩年の黒田官兵衛と誕生した逸話の数々 この回では、関ヶ原合戦後からその死に至るまでの官兵衛の姿を取り上げます。現在の官兵衛の評価が定着したのは、その遺言状にあったので、その分析を進めます。また、後世に伝わった、数々の官兵衛の逸話も検証することとします。

講師紹介

渡邊 大門
株式会社歴史と文化の研究所代表取締役
1967年神奈川県横浜市生まれ。千葉県市川市在住。関西学院大学文学部史学科卒業。佛教大学大学院文学研究科日本史学専攻博士後期課程修了。博士(文学)。現在、株式会社歴史と文化の研究所代表取締役。専門分野は日本中近世政治史。主な著書に『大坂の陣全史 1598-1616』草思社、『戦国大名は経歴詐称する』柏書房、『誤解だらけの「関ヶ原合戦」 徳川家康「天下獲り」の真実』PHP文庫、『嘉吉の乱 室町幕府を変えた将軍暗殺』ちくま新書、『誤解だらけの徳川家康』幻冬舎新書、『豊臣五奉行と家康 関ヶ原合戦をめぐる権力闘争』柏書房、『倭寇・人身売買・奴隷の戦国日本史』星海社新書、『関ケ原合戦全史 1582-1615』草思社、『戦国大名の戦さ事情』柏書房など多数。

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