ジャンル 芸術の世界

早稲田校

「物語」を描く―東西の美術に見る技法の系譜

  • 夏講座
  • オムニバス

毛塚 実江子(共立女子大学講師)
山田 香里(立教大学講師)
山本 陽子(明星大学教授)
小林 一枝(早稲田大学講師)

曜日 木曜日
時間 10:40~12:10
日程 全4回 ・08月01日 ~ 09月05日
(日程詳細)
08/01, 08/22, 08/29, 09/05
コード 120411
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 11,880
ビジター価格 受講料 ¥ 13,662

目標

・各時代、各地域の代表的な美術の作例を概観し、表現の特徴を理解する。
・広範囲の作例を通じて、それぞれの差異や共通点を比較する。

講義概要

神話や民話、経典や宗教関連説話に散りばめられた「物語」はどのような描かれ方をしてきたのでしょうか。ストーリーが始まるサインや舞台装置のような演出や場面転換、見る側の約束ごとなど、今回の講座では、古くから語られ継がれてきた物語・説話が「どのような技法で描かれてきたか」を古代ローマから初期キリスト教(山田香里)、中世ヨーロッパ(毛塚実江子)、イスラーム(小林一枝)、中世の日本(山本陽子)とそれぞれの美術において見ていきます。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 08/01 受難物語表現の始まり 物語を一つの図のみで表現した誕生期のキリスト教美術は、後にイエスの受難物語を描くにあたって複数の物語図を展開させていく。カタコンベ、石棺での物語表現から聖堂内のモザイクへと変遷する物語表現を紹介する。
2 08/22 物語絵のかたち〜絵巻と障子絵と縁起絵 日本中世の絵画では説話や物語が、横長の絵巻や大画面の障子絵や双六のような縁起絵というように、多様な形で展開しました。これらの画面において、時間や空間はどのように割り振られ区切られたのかを見てゆきます。
3 08/29 物語の視覚化:イスラーム時代以降の中東における陶器と写本 日本の漫画の原点ともいわれる鳥獣戯画は12世紀に制作されたが、同じ時代に中東世界でも小さな陶器の表面にコマ割りされた絵画が描かれた。こうした中東の物語絵の技法を写本のみならず陶器や壁画も含めて考察する。
4 09/05 「枠組み」の世界〜テキストを彩る中世写本挿絵の発展 西欧中世の写本に付された挿絵はしばしば装飾された枠取りで彩られてきました。四コマ漫画のような上下の連続、マス目状や描線による場面の区切りや扉絵など、10世紀前後を中心に写本挿絵の発展と展開を追います。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆各回担当講師・各回講義内容は変更となる場合があります。

講師紹介

毛塚 実江子
共立女子大学講師
栃木県出身。博士(文学、早稲田大学)。共立女子大学、玉川大学、立教大学等で美術史・建築史の講義を担当。専門は中世美術史、スペインのキリスト教写本挿絵を中心に研究している。『レオンの「960年聖書」研究』(単著、中央公論美術出版)。
山田 香里
立教大学講師
東京都出身。立教大学大学院文学研究科博士課程後期課程退学(神学修士)、在ローマ教皇庁立キリスト教考古学研究所博士課程修了(文学修士、キリスト教考古学専攻)。専門分野はキリスト教考古学、初期キリスト教美術。誕生期のキリスト教美術について、キリスト教思想の変遷や、教会史・ローマ史などの持つ背景とともに考察しています。キリスト教美術を鑑賞するときのポイントや楽しみ方をお伝えしていきたいです。
山本 陽子
明星大学教授
早稲田大学大学院文学研究科博士課程後期 博士(文学)。専門分野は日本中世絵画史。著書に『絵巻における神と天皇の表現』(中央公論美術出版)、『絵巻の図像学』、『図像学入門』(勉誠出版)、『はじめての日本美術史』(山川出版社)など。どうすれば美術作品に親しめるか、そのきっかけを判りやすく伝えたいと思います。
小林 一枝
早稲田大学講師
早稲田大学大学院文学研究科芸術学(美術史)博士課程単位取得退学。1997年より現在に至るまで早稲田大学国際部(現・国際教養学部)の講師を勤める。早稲田大学文学部では中東イスラームコースの文学と美術の講座を担当。著書に、「アラビアン・ナイトの国の美術史(単著)」八坂書房、「The Arabian Nights: An Encyclopedia(共著)」ABC-Clio出版他がある。
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