ジャンル 文学の心

早稲田校

フランス文学に親しむ―プルースト『失われた時を求めて』の世界

  • 春講座

小黒 昌文(早稲田大学教授)

曜日 木曜日
時間 10:40~12:10
日程 全6回 ・05月09日 ~ 06月13日
(日程詳細)
05/09, 05/16, 05/23, 05/30, 06/06, 06/13
コード 110158
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 17,820
ビジター価格 受講料 ¥ 20,493

目標

・長編小説の丁寧な読解を実践する。
・同時代の文化・社会への関心を深める。
・作品の今日的な射程について考える。

講義概要

20世紀フランス文学を代表する作家マルセル・プルースト(1871-1922)が生涯を賭して紡いだ長編小説『失われた時を求めて』(1913-1927)は、なぜ時代や言語の境を越えて多くの読者を惹きつけるのでしょうか。謎と刺激に満ちた物語の冒頭部分を出発点としつつ、作家の人生や同時代の文化・社会の動向にも目を向けながら、作品世界の魅力をじっくり考えてゆきましょう。本講義では、第1篇『スワン家のほうへ』を中心にすえて読書を進めてゆく予定です。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 05/09 プルーストの生と作品 世紀転換期を生きた作家の人生を概観し、『失われた時を求めて』に結実する文学的な歩みについて考えます。
2 05/16 「不眠の夜」あるいは物語の母胎 睡眠と覚醒のはざまにたゆたう主人公の「私」を描く冒頭部分に秘められた壮大な仕掛けについて考えます。
3 05/23 無意志的記憶をめぐる偶然 広く知られたエピソードである「マドレーヌ体験(プルースト現象)」がもつ美学的な射程について考えます。
4 05/30 シンメトリックな作品構造 主人公の日常として描かれるふたつの散歩道を例にとり、作品世界を支える対照構造について考えます。
5 06/06 新たな恋愛の心理学 主人公の初恋とサンザシの花をめぐって張りめぐらされる重層的な比喩の網の目について考えます。
6 06/13 文学創造のほうへ 文学の道を志す主人公(および作家プルースト)に絵画や音楽が及ぼす影響の大きさについて考えます。

テキスト

テキスト
マルセル・プルースト『『失われた時を求めて 1 スワン家のほうへ I』』(岩波文庫)(ISBN:978-4003751091)

講師紹介

小黒 昌文
早稲田大学教授
1974年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部フランス文学専修を卒業後、京都大学大学院文学研究科文献文化学専攻フランス語フランス文学専修修士課程に進学。2005年、同研究科博士課程修了。博士(文学)。専門はフランス近代文学、特に小説家マルセル・プルースト(1871-1922)の生涯と作品。主な著書に『プルースト 芸術と土地』名古屋大学出版会、2009年、訳書にフィリップ・フォレスト『洪水』河出書房新社、2020年(澤田直との共訳)、アラン・コルバン『木陰の歴史 感情の源泉としての樹木』藤原書店、2022年などがある。
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