ジャンル 芸術の世界

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儒教アート入門 孔子と帝王学の美術

  • 春講座

水野 裕史(筑波大学准教授)

曜日 火曜日
時間 10:30~12:00
日程 全5回 ・04月09日 ~ 05月28日
(日程詳細)
04/09, 04/16, 04/23, 05/21, 05/28
コード 710405
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 14,850
ビジター価格 受講料 ¥ 17,077

目標

・中国から日本へとつながる藝術の歴史や儒教思想を知る。
・美術作品から制作および鑑賞された当時の道徳観を知る。

講義概要

紀元前6世紀に成立した儒教は、中国のみならず、日本や韓国、ベトナムなど周辺地域に波及した東アジア文化圏に共通する思想の一つです。各地に作られた孔子廟は、儒教の中心的なシンボルとして機能し、そこでは孔子を称える儀礼がおこなわれました。これらの孔子廟では、孔子やその弟子の顔回などの肖像画が掲げられ、人々はこれらに礼拝したのです。また、儒教思想に基づく帝王学は、為政者の教育に用いられ、その思想を表した美術は、為政者のための教育的な視覚資料として機能しました。本講座では、東アジアに共通する儒教のアートの成立と展開について考えます。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 04/09 孔子のかたち 儒教の祖、孔子は様々な姿で表されています。最初期は木主で表され、やがて絵画や彫刻でも作られるようになりました。また、衣装にも時代や地域ごとの特色を見ることができます。この授業では、多種多様な孔子の姿を紹介します。
2 04/16 皇帝を教育する―帝鑑図 勧善戒悪を説く絵画のことを「勧戒画」と呼びます。その代表的なテーマの一つに「帝鑑図」があります。帝鑑図とは、明代の万暦元年(1573)に幼き皇帝の神宗のために編纂された『帝鑑図説』を基に制作された絵画です。この授業では、全117話ある帝鑑図説のうち代表的な数話を紹介し、その絵画制作に至った経緯と展開をお話しします。
3 04/23 庶民の生活を知る―耕織図 為政者は、上流階級の生活だけを知れば良いものではなく、下々の生活の様も熟知する必要がありました。例えば宮中では籍田や親蚕の儀礼がおこなわれ、「耕織図」と呼ばれる水稲耕作と蚕織が描かれた絵画が広く普及しました。本授業では、帝鑑図と同じ勧戒画の一つである「耕織図」の成立と展開について考えます。
4 05/21 親孝行を考える―二十四孝図 儒教思想の一つに「孝」があります。家族の敬愛の心情であり、人間関係の根本とされました。その精神を絵画として表したものが、「二十四孝図」と呼ばれる中国における模範とされた24の孝行の説話です。江戸時代の日本において大流行し、その精神は現代にも受け継がれています。本回は、江戸時代における親孝行の美術について迫ります。
5 05/28 これも儒教のアート? 儒教の美術は、儒教だけでなく、仏教や道教などの影響もあり、単純に「儒教美術=儒教」と結びつけられない難しさがあります。今回は、室町時代の山水画、江戸時代の文人画などに焦点をあて、日本の美術作品における儒教の影響について考えます。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆3/15(金) 13:30より本講座の無料体験講座を実施します。
◆無料体験講座お申込みはこちらから。https://www1.ex-
waseda.jp/online/
「無料体験講座」をクリックし、「絞り込み」をクリックしてください。
◆講師著書『儒教思想と絵画―東アジアの勧戒画』(勉誠社)を参考図書といたしますが、必須ではありません。
◆休講が発生した場合の補講は、5月28日(火)を予定しております。
◆Zoomウェビナーを使用したオンライン講座です。
◆お申込みの前に必ず「オンラインでのご受講にあたって」をご確認ください。
◆お申込みいただいた有料講座の動画は、当該講座実施の翌々日(休業日を除く)17:30 までに公開します。インターネット上で 1 週間のご視聴が可能です。視聴方法は、以下をご確認ください。
【会員】授業動画の視聴方法(会員向け)
【ビジター・法人会員】授業動
画の視聴方法(ビジター・法人会員向け)

備考

5/14は休講になります。補講は5/28に行います。

無料体験会での本講座の様子を公開しました。5分程度の動画です。
再生すると音が出ます。視聴の際はご注意ください。

講師紹介

水野 裕史
筑波大学准教授
福島県生まれ。筑波大学大学院人間総合科学研究科芸術専攻博士後期課程修了。博士(芸術学)。奈良文化財研究所、熊本大学を経て、現職。専門分野は、日本美術史。編著に『儒教思想と絵画―東アジアの勧戒画』(勉誠出版、2022年)。論文に「雪村周継と臨済宗幻住派」『美術研究』(428号、2019年)、「狩野永納筆《秀吉鷹狩絵巻》下絵と勧修寺家」『デアルテ』(33号、2017年)等。展覧会企画に「孔子をまつる―歴聖大儒像の世界」(筑波大学附属図書館、2022年11月)がある。

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