ジャンル 現代社会と科学

中野校

Science and Arts: DNA物語

  • 秋講座

梶村 眞弓(早稲田大学客員教授)

曜日 金曜日
時間 10:40~12:10
日程 全3回 ・11月29日 ~ 12月13日
(日程詳細)
11/29, 12/06, 12/13
コード 330726
定員 24名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 8,910
ビジター価格 受講料 ¥ 10,246

講義概要

DNAの科学は「物語」に満ちています。遺伝物質の実体がDNAであることは、当たり前のこととして認識しているでしょう。しかし、この単純な構造の巨大分子が、遺伝物質としての市民権を得るには長い道のりがありました。一体どんな「思い込み」が科学の進展を妨げたのか、その「物語」とともに、DNA分子の凄さを紹介します。人類は今、DNAを知り、配列を解読し、さらには改変する術までをも手に入れました。第二週は、バイオテクノロジーの例として、多くの命を救った新型コロナウイルスワクチンの製造工程を紹介します。最終週は、ゲノム編集技術 ”CRISPR cas9” の発見に至る意外な「物語」とその最前線を解説します。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 11/29 DNAが市民権を得るまでの物語 DNAが遺伝物質であることを示唆する最初の実験は、1928年に英国の医学者フレデリック・グリフィスにより行われました。彼は、1918年のスペイン風邪の犠牲になった多くの患者を救うべく、ワクチンを作る研究に心血を注いでいました。「遺伝物質の発見」は、実は100年前のスペイン風邪のレガシーだったのです。
2 12/06 バイオテクノロジーってなに? 20世紀後半は、科学革命の幕開けと称され、様々なツールが矢継ぎ早に開発されました。第2週は「バイオテクノロジー」とは一体どんなものかを、直観的に感じていただきたいと思います。一例として、新型コロナウイルスワクチンの製造工程を、New York Timesの掲載記事をもとにわかりやすく解説します。
3 12/13 最新ゲノム編集技術 “CRISPR Cas9(クリスパー・キャスナイン)” 実は私たちと同様に「バクテリアも風邪をひく」のです。そしてバクテリアも、 ウイルスの攻撃から身を守るために「免疫システム」を持っていたのです。CRISPR-Cas9とは、単細胞が発明した免疫システムだったのです。意外にもこの仕組みは、ヨーグルトメーカーの一研究員により発見されました。その物語を紹介します。

講師紹介

梶村 眞弓
早稲田大学客員教授
1995年、カリフォルニア大学デイヴィス校生理医学系博士課程修了。大西洋を渡り、ロンドン・インペリアルカレッジ医学部で研鑽。1999年、慶應義塾大学医学部医化学教室で日本でのキャリアをスタート。脳梗塞後遺症を軽減したいという思いのもと、一貫して分子レベルで病態を解明することに傾注してきた。ATPというエネルギー分子が、脳梗塞巣で枯渇していく様子を可視化することに世界で初めて成功した。2021年、慶應義塾大学・医学教育貢献賞を受賞。2022年3月、慶應義塾大学 医学部教授職を定年退職。現在、早稲田大学研究院ナノ・ライフ創新研究機構 規範科学総合研究所 客員教授(客員上級研究員)

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