ジャンル 文学の心

早稲田校

日本近代文学―作品から垣間見る庶民生活 あるいは「サラリーマン」たちの文化史

  • 冬講座

鈴木 貴宇(早稲田大学教授)

曜日 土曜日
時間 10:40~14:40 ※途中休憩をはさみます。
日程 全2回 ・01月11日 ~ 02月08日
(日程詳細)
01/11, 02/08
コード 140104
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 11,880
ビジター価格 受講料 ¥ 13,662

目標

・日本近代文学の読解を受講生各自の視点から行うことができるようになる。
・日本近代文化史の理解を社会史、経済史の視点と併せて持つことができるようになる。

講義概要

本講義は主に1880年代から1960年代の半世紀にかけて、日本社会の近代化過程において中産階級の象徴とされる「サラリーマン」が、どのように文学作品において登場し、その変遷から彼等の生活環境を考えていくものです。扱う作品は受講生のみなさんの関心に応じて変更しますが、現時点では次の作品を予定しています:二葉亭四迷『浮雲』(1888)、岸田國士『紙風船』(1925)、菊田一夫『君の名は』(1952)、山口瞳『江分利満氏の優雅な生活』(1962)。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 01/11 明治・大正のサラリーマンたち:1880‐1930 日本近代文学の嚆矢とされる二葉亭四迷『浮雲』は、同時に「ホワイトカラー」として働く青年とその苦悩をはじめて描いた作品でもあります。明治の近代化を経て大正時代の大衆社会化を迎えるにあたり、中産階級の夫婦像は岸田國士の戯曲『紙風船』においてどのように描かれるようになったでしょうか。近代化のプロセスと、その中で生きた人々の希望と挫折を読み解いていきます。
2 02/08 戦後日本社会とサラリーマン:1950‐1960 戦後初の大ヒットとされる『君の名は』ですが、この作品はラジオ、映画、そして小説と多岐にわたるメディアで展開されたものでもあります。敗戦から占領を経て新生日本が模索されるなかで大ヒットとなった同作から、当時の人々が抱いた欲望の在り方を考えます。また高度成長期に登場する「サラリーマン」小説とその文化を山口瞳『江分利満氏の優雅な生活』から考察します。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆休講が発生した場合の補講日は3月1日(土)を予定しています。

講師紹介

鈴木 貴宇
早稲田大学教授
埼玉県生まれ。博士(学術、東京大学)。専門分野は日本近代文学および日本社会論。早稲田大学文学学術院にて日本近代文学史(明治・大正)のほか、文化論を担当。書籍等出版物として学位論文を元とした『〈サラリーマン〉の文化史』(青弓社:2022年)がある。
  • 外国語 コースレベル選択の目安
  • 広報誌「早稲田の杜」
  • オープンカレッジ友の店