ジャンル 日本の歴史と文化

オンデマンド

【オンデマンド】「倭」から「日本」へ―「飛鳥の都」の変遷

  • 秋講座

吉川 真司(京都大学名誉教授)

コード 930203
定員 30名
単位数
会員価格 受講料 ¥ 7,920
ビジター価格 受講料 ¥ 7,920

目標

・日本古代史に関する理解を深める。
・さまざまな歴史資料の活用方法を身につける。

講義概要

日本古代史において、7世紀はまさに激動の時期であった。ゆるやかな古墳時代の国家システムが、律令体制と呼ばれる中央集権システムに生まれ変わり、「倭」の時代はその最終局面を迎えて「日本」へと転換していく。この大変動は、アジア情勢の変化が列島社会に及んだものであって、倭王朝は軍事・外交上のきびしい選択をせまられ続けた。この講義では、古い学説を否定・批判しながら、内政・外交のプロセスをていねいに跡付け、7世紀史を全体的にとらえることを目標とする。またその際には、考古学の成果を活用しながら、政治の中心である王宮がどう変化したかを明らかにし、国家システムの移り変わりを具体的に理解したいと思う。

各回の講義予定

講座内容
1 聖徳太子の実像 ―小墾田宮と斑鳩宮― 6世紀末〜7世紀前葉の「飛鳥の文明開化」を考える。「聖徳太子否定論」を否定し、聖徳太子が倭国の政治・文化に果たした役割を正当に位置づける。
2 大化改新とその前史 ―飛鳥岡本宮と難波宮― 7世紀中葉の国家システムの変革について考える。「大化改新否定論」を否定し、改新の実態、およびその前史を新たな視点から明らかにする。
3 激動するアジア情勢 ―後飛鳥岡本宮と近江大津宮― 7世紀中葉〜後葉、斉明・天智朝の具体像を考える。「近江令否定論」を否定し、激動のアジア情勢に対応しながら「律令体制」が形成されていく道筋を跡づける。
4 律令体制の確立 ―飛鳥浄御原宮と藤原宮― 7世紀後葉、天武・持統朝の時代相を考える。天武天皇を過度に重視する歴史観を批判し、アジア情勢の安定化とともに「律令体制」が確立した状況を眺めわたす。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆視聴期間は一般申込開始(2024/08/27)から学期終了翌月末(2025/01/31)までになります。一般申込開始(2024/08/27)以降はお申し込みいただけましたら視聴可能になります。
◆この講座は
2024年度 春期 「「倭」から「日本」へ―「飛鳥の都」の変遷」 (04/06〜04/27 土曜日、全4回)
で開講した講座のアーカイブ講座になります。
◆途中映像音声の乱れるところがありますがご了承ください。
◆オンデマンド講座のため講義内容に関する質疑は受付けいたしかねます。あらかじめご了承お願いいたします。

講師紹介

吉川 真司
京都大学名誉教授
日本古代史専攻。京都大学大学院文学研究科を研究指導認定退学の後、同大学助手・助教授・教授をつとめ、2024年3月退任。著書に『律令官僚制の研究』(塙書房、1998年)、『律令体制史研究』(岩波書店、2022年)、『シリーズ日本古代史③ 飛鳥の都』(岩波書店、2011年)、『天皇の歴史02 聖武天皇と仏都平城京』(講談社学術文庫、2018年)など。

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