ジャンル 日本の歴史と文化

オンデマンド

【オンデマンド】ヤマトタケルの出自 英雄伝承から読み解く美濃・尾張と古代王権

  • 秋講座

古市 晃(神戸大学大学院教授)

コード 930208
定員 25名
単位数
会員価格 受講料 ¥ 11,880
ビジター価格 受講料 ¥ 11,880

目標

・『古事記』や『日本書紀』を中心とする日本古代の文献史料を読解する力を身につける。
・神話・伝承を手がかりとして、日本の古代国家の成り立ちについての理解を深める。

講義概要

ヤマトタケルの伝承は、『古事記』『日本書紀』にみえる伝承の中でもとりわけよく知られるものですが、その要素の多くは事実とは考えられていません。しかしヤマトタケルとは一見、関わりのなさそうな要素をも含めて検討することで、思いがけず史実の一端にたどり着くことができるのではないかと考えます。その作業を通じて、ヤマトタケル伝承の本来の形態を解明し、合わせて国家形成期の地域社会と王権の関係を考えてみたいと思います。

各回の講義予定

講座内容
1 ヤマトタケルの何を論じるか ヤマトタケル伝承の概略を紹介し、古代史研究の立場からどう扱うべきか、課題を明らかにしてゆきます。
2 大碓・小碓の系譜 ヤマトタケルは当初、小碓命(おうすのみこと)と呼ばれ、双子の兄、大碓命(おおうすのみこと)と一対の関係にある存在でした。大碓命の系譜の検討を通じて、ヤマトタケル伝承の始原的な形態を探ります。
3 大根王とヤツメの王 ヤマトタケルの兄、大碓命の妃の父とされる大根王(おおねのみこ)と、その別名とされる八爪之入日子王(やつめのいりひこのみこ)の検討を通じて、ヤマトタケル伝承と美濃の関係を検討します。
4 八坂入彦と五百城入彦 八坂入彦と五百城入彦は、共に尾張氏の系譜上の人物で、ヤマトタケルとは関係がなさそうにみえます。しかし意外なところで接点があり、それを明らかにすることで、ヤマトタケル伝承がなぜ中央の史書に大きく扱われるに至ったのかを探ります。
5 宮簀媛と草薙剣 ヤマトタケルの妃の1人とされる宮簀姫(みやずひめ)と、ヤマトタケルから彼女に渡されたとされる草薙剣。いずれも尾張国と密接に結びつく存在ですが、この伝承の分析を通じて、ヤマトタケル伝承における尾張の位置づけを明らかにします。
6 ヤマトタケル伝承はいつ成立したか ヤマトタケル伝承が成立するにあたって、いつ、どの勢力が主体的な役割を担ったのかを検討します。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆視聴期間は一般申込開始(2024/08/27)から学期終了翌月末(2025/01/31)までになります。一般申込開始(2024/08/27)以降はお申し込みいただけましたら視聴可能になります。
◆この講座は
2024年度 春期 「ヤマトタケルの出自」 (04/22〜06/10 月曜日、全6回)
で開講した講座のアーカイブ講座になります。
◆途中映像音声の乱れるところがありますがご了承ください。
◆オンデマンド講座のため講義内容に関する質疑は受付けいたしかねます。あらかじめご了承お願いいたします。

講師紹介

古市 晃
神戸大学大学院教授
岡山県生まれ。博士(文学、大阪市立大学)。大阪歴史博物館、花園大学を経て現職。日本古代史を専攻。国家形成史や地域社会史に関心を持つ。著書に、『倭国 古代国家への道』(講談社現代新書)、『国家形成期の王宮と地域社会』(塙書房)などがある。

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