ジャンル 人間の探求

オンデマンド

【オンデマンド】京都学派の現在的意味 西田幾多郎を中心として

  • 秋講座

檜垣 立哉(専修大学教授、大阪大学名誉教授)

コード 930501
定員 25名
単位数
会員価格 受講料 ¥ 11,880
ビジター価格 受講料 ¥ 11,880

目標

・日本の近代哲学を代表する京都学派について理解を深める。
・西田幾多郎の思想の現代的意義について考える。
・日本語による「哲学」の可能性を検討する。

講義概要

日本ではじめて西洋哲学を受容し、それを「日本語」でおこなった京都学派の思想とその現代的意義について、西田幾多郎の思想の概説を中心に講義をおこなう。西田幾多郎は数多くの有名な弟子を生みだすとともに、西田自身に対する批判も受け止めながら、さまざまな思想上の立場の変更をおこなった。だがその思想は「生命」という事象を中心に、あくまでも「日本語」で、西洋由来の哲学をなす試みであった。あわせて「西洋哲学」が日本の「近代化」においておよぼした意味と、そこで「近代の超克」がテーマとなった事態を、今日的な観点からとらえなおす。

各回の講義予定

講座内容
1 1. 京都学派とは何か 日本語で哲学をすること/2. 西田幾多郎の前期思想  『善の研究』から『自覚に於ける直観と反省』へ 1. 日本語で西洋哲学をおこなう試みを初めてなした京都学派とその中心人物であった西田幾多郎について概説する。京都学派の数多くの思想家(田邊元、九鬼周造、三木清、戸坂潤、下村寅太郎)の位置づけについても触れる。
2. 西田幾多郎の思考の出発点であった『善の研究』と、その問題点を自ら乗り越える「自覚」論を展開した『自覚における直観と反省』を解説する。
2 1. 西田幾多郎の中期思想 場所論から『無の自覚的限定』へ/2. 西田幾多郎の後期思想 西田後期のモナドロジー的とその現代的意味 1. 西田中期の場所論から、田辺の西田批判を受け、「永遠の今」や「他を含む自己」を論じる『無の自覚的限定』を解説する。
2. 西田が最終的にたどり着いた地点であるモナドロジー的思考に触れ、生命の哲学としての西田の思想全体を振り返る。
3 1. 西田から田邊元、九鬼周造、三木清へ/2. 日本語で哲学をする試みとは何かー「近代の超克」座談会の今日的意義 1. 西田の数々の弟子あるいは京都学派の関係者のなかから、田辺元、九鬼周造、三木清が、西田の思想をどのように批判し、あるいは引きうけ、展開したかを解説する。
2. 京都学派のと第二次世界大戦との関わりで有名な「近代の超克」座談会を今日的視点から検討し、京都学派の思想が持ち得ていたポテンシャルや、日本語で哲学をおこなうことの意義をとらえなおす。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆視聴期間は一般申込開始(2024/08/27)から学期終了翌月末(2025/01/31)までになります。一般申込開始(2024/08/27)以降はお申し込みいただけましたら視聴可能になります。
◆この講座は
2024年度 春期 「京都学派の現在的意味 西田幾多郎を中心として」 (04/06〜04/20 土曜日、全3回)
で開講した講座のアーカイブ講座になります。
◆途中映像音声の乱れるところがありますがご了承ください。
◆オンデマンド講座のため講義内容に関する質疑は受付けいたしかねます。あらかじめご了承お願いいたします。

講師紹介

檜垣 立哉
専修大学教授、大阪大学名誉教授
埼玉県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中途退学。博士(文学)。大阪大学教授を経て専修大学文学部教授・大阪大学名誉教授。現代フランス哲学研究(『ドゥルーズ入門』ちくま新書)、京都学派研究(『西田幾多郎の生命』講談社学術文庫)、生命論研究(『食べることの哲学』世界思想社)をおこなっている。そのほかに『バロックの哲学』岩波書店、『生命と身体 フランス哲学論集』勁草書房 等。
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