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オンデマンド

【オンデマンド】廃仏毀釈の真実 明治の闇に消えた寺院

  • 秋講座

鵜飼 秀徳(作家、京都・嵯峨 正覚寺住職)

コード 930504
定員 25名
単位数
会員価格 受講料 ¥ 9,900
ビジター価格 受講料 ¥ 9,900

目標

・近代仏教史の暗部を知る。
・日本の宗教構造を学ぶ。
・寺院とは何かを探る。

講義概要

興福寺阿修羅像、五重塔も消滅の危機にあった! 文明開化の明治にも光と影がある。その影の部分を象徴するのが廃仏毀釈だ。もともとは神仏習合状態にあった神社と寺院、神と仏を分離する政策だったのだが、寺院、仏像などの破壊から、暴動にエスカレート。完全に仏教を殲滅してしまった地域もあった。その地域の「歴史」が消えてしまったケースすらある。日本史上でも例が少ない大規模な宗教への攻撃、文化財の破壊はなぜ行なわれたのか? 僧侶である講師が京都、奈良、鹿児島、宮崎、長野、岐阜、伊勢、東京など日本各地に足を運び、廃仏毀釈の実態に迫った内容をふんだんの写真をもとに解き明かす。

各回の講義予定

講座内容
1 神仏習合と江戸時代の廃仏毀釈 そもそも日本の宗教は、仏教と神道、儒教などが混じあった習合状態であった。仏と神、寺院と神社はゆるやかに共存していた。江戸時代に入ると国学思想が広がり、古来の神道のあり方を模索する動きは始まる。廃仏毀釈の素地は水戸でつくられていく。
2 京都と奈良の廃仏毀釈 神仏分離令が出されるや、滋賀県近江坂本の日吉大社で始まった暴動は各地に飛び火する。首都の座を東京に奪われた京都では寺町が壊され、古都再生事業のためのインフラ整備に寺院の伽藍や境内地が利用されていく。奈良では興福寺が廃寺になり、文化財が散逸。シカも廃仏毀釈の影響でスキヤキにされるなどの被害に遭う。
3 九州の廃仏毀釈 鹿児島県(薩摩藩)ではすべての寺院が壊され、僧侶が還俗させられた。薩摩藩での廃仏毀釈の背景には軍需拡大があった。その影響で、現在も鹿児島県では寺院が極めて少なく、文化財もほとんど残されていない。薩摩藩の影響を受け、隣の宮崎県(日向)でも大方の寺院が壊された。
4 関東甲信越の廃仏毀釈 東京では深大寺や高尾山などで神仏分離が推し進められた。現在でも都内各地で首がはねられた石仏をみることができる。長野県では、新政府に忖度した松本藩で激烈な廃仏毀釈が実施された。国宝に指定されている旧開智学校も廃仏毀釈によって生まれた。松本の幻の寺院、若澤寺の痕跡を追う。
5 伊勢と離島の廃仏毀釈 伊勢神宮も神仏習合しており、付属の寺院の破壊が推し進められた。特に伊勢周辺で打ち壊された寺院の宝物は海を渡った知多半島へ逃された。伊勢の神宮寺が保有していた大仏の行方などを追う。佐渡や隠岐など離島では閉鎖空間の中で、過激に廃仏毀釈が実施された。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆視聴期間は一般申込開始(2024/08/27)から学期終了翌月末(2025/01/31)までになります。一般申込開始(2024/08/27)以降はお申し込みいただけましたら視聴可能になります。
◆この講座は
2024年度 春期 「廃仏毀釈の真実」 (04/04〜06/06 木曜日、全5回)
で開講した講座のアーカイブ講座になります。
◆途中映像音声の乱れるところがありますがご了承ください。
◆オンデマンド講座のため講義内容に関する質疑は受付けいたしかねます。あらかじめご了承お願いいたします。

講師紹介

鵜飼 秀徳
作家、京都・嵯峨 正覚寺住職
京都・嵯峨の正覚寺に生まれる。大学卒業後、新聞記者・雑誌編集者を経て2018年に独立。主に「宗教と社会」をテーマに取材、執筆、講演などを続ける。著書に『寺院消滅』『仏教抹殺』『仏教の大東亜戦争』『絶滅する「墓」』など多数。大正大学招聘教授、東京農業大学・佛教大学非常勤講師。(一社)良いお寺研究会代表理事。
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