ジャンル 日本の歴史と文化

早稲田校

縄文文化研究の最前線

  • 春講座

高橋 龍三郎(早稲田大学名誉教授)

曜日 月曜日
時間 13:10~14:40
日程 全10回 ・04月07日 ~ 06月16日
(日程詳細)
04/07, 04/14, 04/21, 04/28, 05/12, 05/19, 05/26, 06/02, 06/09, 06/16
コード 110209
定員 30名
単位数 2
会員価格 受講料 ¥ 29,700
ビジター価格 受講料 ¥ 34,155

目標

・縄文時代の文化・社会を明らかにするための基礎的な方法論を学ぶ。
・未開社会の民族誌的研究からどうのように縄文社会復元の糸口をつかむかについて学ぶ。
・縄文社会の複雑化、階層化過程の視点を学ぶ。
・縄文土器がなぜ過剰な装飾で飾られるのかについて検討し、土器型式が成立する社会背景を学ぶ。

講義概要

縄文時代の文化・社会は、以前考えられたのとは異なり、かなり高度な水準に達し複雑化していたと評価されるようになった。その理由は、集落研究や墓制研究からの解明が進んだからであり、それらを通じて縄文社会の実態が具体的に把握されるようになったからである。縄文社会の分析を通じて、縄文社会がどの程度、複雑化、階層化を遂げた社会であったのかについて、また、社会的基盤となった親族構造や婚姻形態、出自体系について明らかにする。さらに、縄文考古学の長年の謎であった「土器型式」が成立する社会・呪術的背景について仮説を検討する。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 04/07 縄文時代研究の基礎学 縄文時代のあらゆる分野を研究する上で、年代の問題は避けて通ることはできない。考古学ではそれをどのように扱っているのかについて、特に土器型式について考える。
2 04/14 土器型式の実態 無限の変化を示す縄文土器も、一定の基準によって括られる属性のまとまりによって整理把握される。これを土器型式というが、一地域の同じ時代には同じ土器型式が分布する。これはなぜだろう。縄文人の土器製作と活用において何らかの営為があったためと考えられる。授業ではこれについて海外の民族誌を参考に検討する。
3 04/21 縄文土器の機能と過剰装飾について 縄文土器の多くは日常の煮炊きに使われたと考えられるのだが、しかし、それにしては装飾が過剰である。口縁部の突起などは、かえって使用の妨げになる。縄文人はそのような過剰な装飾に何を求めたのだろうか。
4 04/28 縄文時代の生業活動(狩猟) 縄文時代の生活の根幹は、いうまでもなく自然の恵みを享受することである。中でも動物の狩猟活動は大変大きな意味を持った。講義では、貝塚などから出土する動物骨や狩猟具などについて概説する。
5 05/12 縄文時代の生業活動(漁労) 縄文時代は陸上だけでなく海洋や河川、湖水への適応の結果、多くの漁労活動に適応してきた。現在に見る釣り漁や銛漁、網漁などの原型は縄文時代に完成されたものである。講義では漁具の発達や漁法などについて環境との関わりで述べる。
6 05/19 縄文時代の生業活動(植物食料と農耕問題) 縄文時代の植物食料ににつては、今まで堅果類などが知られてきた。最近では土器面に残る種子圧痕からマメ類の栽培などの問題が明らかになった。講義では農耕への第一歩と目される植物栽培の問題について考える。
7 05/26 縄文時代中期の村落と社会原理 縄文中期には広場を囲むように環状に集落が営まれた。これを環状集落という。なぜそのような形状を呈するのだろうか。村落の構成原理について、廃屋墓などの分析を通じて検討する。
8 06/02 縄文時代の後期の村落と社会原理 中期末には環状集落は解体され、もはや造営されなくなる。変わって小型の分散型集落に変遷する。その原因は何であったであろうか。親族構造や婚姻原理、出自制度などの変化について検討する。
9 06/09 トーテミズムと氏族制社会の登場 後期になると動物形土製品が製作される。イノシシ、トリ、イヌ、クマ、サル、巻貝などの粘土造形である。縄文時代後期に東日本一帯で製作される。これは氏族集団のシンボル(表徴)である。その社会的意義と時代の変化について検討する。
10 06/16 氏族制社会の特質 動物トーテムを表徴とする各氏族は、実は氏族独自の物質文化を保持し、独特の遺構を造営した可能性がある。東北地方の大型環状列石を造営したのは、そのうちのクマをシンボルとする氏族集団であったと推定される。この仮説は従来の定説とは大きく異なる。講義ではそれについて検討する。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆参考図書としては『科学で読み解く縄文社会』(高橋龍三郎編著 同成社)、『パプアニューギニア民族誌と縄文社会』(高橋龍三郎編著 同成社)、『村落と社会の考古学』(高橋龍三郎編著 朝倉書店)等があります。
◆2024年度早稲田校春学期の同名講座と重複部分がありますが、新たな知見で再構成しています。

講師紹介

高橋 龍三郎
早稲田大学名誉教授
1953年長野県生まれ。早稲田大学文学研究科博士後期課程満期退学。現在、早稲田大学文学学術院名誉教授、山梨県立考古博物館館長。専門は先史考古学。主な研究テーマは、縄文社会の複雑化・階層化過程の研究,氏族制社会の成立過程の研究等。著書に、『縄文文化研究の最前線』(単著)、『村落と社会の考古学』(編著)、『科学で読みとく縄文社会』等。
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