ジャンル 日本の歴史と文化
早稲田校
王権の古代史
荒木 敏夫(専修大学名誉教授)

曜日 | 金曜日 |
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時間 | 13:10~14:40 |
日程 |
全10回
・04月04日 ~
06月13日 (日程詳細) 04/04, 04/11, 04/18, 04/25, 05/09, 05/16, 05/23, 05/30, 06/06, 06/13 |
コード | 110212 |
定員 | 30名 |
単位数 | 2 |
会員価格 | 受講料 ¥ 29,700 |
ビジター価格 | 受講料 ¥ 34,155 |
目標
・日本古代の歴史を正確に理解する。
・倭国・日本を東アジア・世界史的観点から探る重要性を理解する。
・考古学や人類学などの成果にも目を配る必要を理解する。
講義概要
本講座では、764年の恵美押勝の乱・淳仁廃帝事件の後、次の政治的激変期とみなせる称徳重祚に始まり、760年の宇佐八幡神託事件をはさんで顕著にうかがえる道鏡の台頭と失墜(下野「配流」)、770年の皇太子を定めず死去した称徳が生み出した古代王権の空白の瞬間を確かめ、その再建(光仁即位・井上立后・他戸立太子)と瓦解を王権と律令貴族らの政治史としてみてみます。
「奈良時代」の終り、「平安時代」の始まり、は「平安遷都」で画期するだけではすまない、<歴史の深い企み>が潜んでいます。王権論の視点から、この時代と時期を検討してみたいと思います。
各回の講義予定
回 | 日程 | 講座内容 | |
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1 | 04/04 | 称徳女帝の重祚 | 764年、淳仁天皇を廃して、淡路に移配すると、孝謙太上天皇は重祚します。<皇極−斉明>の例につぐものです。称徳は、道鏡が大嘗宮に随伴する異例の大嘗祭も挙行しています。この大嘗宮は、平城宮内で確認・調査されており、その成果もふまえ、古代最後の女帝の称徳朝の性格を考えてみます。 |
2 | 04/11 | 称徳朝下の法王道鏡 | 河内弓削氏の青年が出家し、天皇近侍の僧として寵愛を受け、やがて法王にまで昇りつめる経緯をみてみます。 |
3 | 04/18 | 宇佐八幡神託事件−その真相 | 事件の経緯と結果を子細にたどり、その真相を探ります。虚実ないまぜの「神託」に振りまわされる「事件」が、あぶり出した「道鏡即位」の<可能性>と<危険性>を考えてみます。 |
4 | 04/25 | 称徳女帝の死去 | 770年8月の称徳天皇の死去は、<王権の空白化・無極化>という非常事態・歴史的瞬間を生み出しました。また、今日伝わる「称徳陵」の真偽にもふれ、称徳天皇死去の歴史的意味を考えてみます。 |
5 | 05/09 | 王権の再建1−白壁王の立太子− | <王権の空白化・無極化>という非常事態がどのように解消されていくかを、「皇太子臨時執政」という政治体制を手がかりに、廟堂の激変・道鏡の下野「配流」等々、王の不在の3ヶ月を探ってみます。 |
6 | 05/16 | 王権の再建2−光仁朝の成立− | 770年、白壁皇太子は即位し、光仁朝が出発します。同年、井上内親王の立后し、771年には他戸親王が立太子し、光仁朝の王権構成が急速に整います。光仁天皇のキサキ・ミコ・ヒメミコに目を配り、光仁朝の特色を考えてみます。 |
7 | 05/23 | 井上皇后、廃后事件 他戸皇太子、廃太子事件 | 称徳没後の光仁王権の再構築を示した井上立后(770年)・白壁立太子(771年)は、772年に廃后・廃太子事件を生み、光仁王権の瓦解が露呈する。その過程を子細に検討することで、<平安時代>がみえてきます。 |
8 | 05/30 | 光仁朝の対外政策 | 古代王権・律令国家が8世紀に加えた外交案件の一つに渤海との通交問題がある。対唐関係・対新羅関係と併せてみてみます。 |
9 | 06/06 | 光仁朝の東北政策 | 8世紀の古代王権・律令国家がかかえた蝦夷問題は、重荷として9世紀に引き継がれます。東北での蝦夷「鎮撫」策の失敗が、蝦夷との長期の「戦争」を余儀なくさせる経緯を秋田城・多賀城・その他の城柵にも留意し、8世紀末葉の東北動静をみてみます。 |
10 | 06/13 | 桓武天皇 即位 | 山部親王が皇太子となり、天皇として即位するにいたる「即位前史」の経緯を子細にみてみます。その検討は、日本古代の王位継承を考える上で重要であり、桓武即位の「途」は、どのようにして生まれたのかを、考えてみます。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆2024年度秋学期の同講師の講座の続編ですが、学期ごとに完結する内容ですので、新規受講の方もご受講いただけます。
講師紹介
- 荒木 敏夫
- 専修大学名誉教授
- 1946年東京生まれ。専修大学名誉教授。1969年3月早稲田大学教育学部を卒業、1975年7月〜86年3月愛知教育大学教育学部、1986年4月〜2017年3月専修大学文学部教授。主著は『日本古代の皇太子』(吉川弘文館)、『可能性としての女帝』(青木書店)、『日本古代王権の研究』(吉川弘文館)、『日本の女性天皇』(小学館)、『日本古代の王権』(敬文舎)等。