ジャンル 人間の探求
早稲田校
児童文学、この豊饒な世界を探る―社会学の立場から
奥井 智之(亜細亜大学教授)
曜日 | 火曜日 |
---|---|
時間 | 15:05~16:35 |
日程 |
全8回
・04月15日 ~
06月17日 (日程詳細) 04/15, 04/22, 05/13, 05/20, 05/27, 06/03, 06/10, 06/17 |
コード | 110518 |
定員 | 30名 |
単位数 | 1 |
会員価格 | 受講料 ¥ 23,760 |
ビジター価格 | 受講料 ¥ 27,324 |
目標
・児童文学の何であるかを、作品の社会学的な解読を通して考える。
・大人にとっても、児童文学が繰り返し読むに値する理由を考える。
・子どもを取り巻く社会の様相について、12の主題に沿って考える。
講義概要
児童文学を社会学的に読む。児童文学とは、子どものために大人によって書かれた文学作品をさす。〈子どもの文学〉は〈大人の文学〉よりも根源的な志向性をもち、子どもの生を無意識的に方向づける潜在力をもっている。本講では、12の主題―自分、年齢、住所、家族、性別、死別、社会、学校、友情、恋愛、職業、国家―に沿って、種々の作品(主に欧米諸国の)を社会学的に読み解き、子どもを取り巻く社会の様相を明らかにしたいと思う。児童文学が、子どものみならず、大人にとっても豊饒な世界であることを、受講生間で共有できればと願っている。なお〈子どもの映画〉も本講の題材の一つであり、毎回10分程度の視聴を予定している。
各回の講義予定
回 | 日程 | 講座内容 | |
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1 | 04/15 | はじめに、自分 | 最初に、児童文学とは何かについて、概括的な見解を提示する。その上で『影との戦い』『ぼくと〈ジョージ〉』などを通して、自己が自己として成立する過程について考察する。 |
2 | 04/22 | 年齢・住所 | 『ピーター・パン』『モモ』などを通して、名前や年齢や住所のもつ社会性について、『トムは真夜中の庭で』などを通して、子どもが「家を出る」ことの意味について考察する。 |
3 | 05/13 | 家族・性別 | 『子鹿物語』『ふたりのロッテ』などを通して、子どもの自立に家族が果たしている役割について、『若草物語』などを通して、生物的性別と社会的性別の交錯について考察する。 |
4 | 05/20 | 死別 | 『ジェイン・エア』『はてしない物語』などを通して、子どもにとって、肉親との死別が、いかなる意味をもつか——子どもがそれをどう乗り越えていくか——について考察する。 |
5 | 05/27 | 社会・学校 | 『蠅の王』などを通して、「大人になる」ことの今日的な様相について、『ハリー・ポッター』『魔法の学校』などを通して、学校の果たしてきた社会的な役割について考察する。 |
6 | 06/03 | 友人・恋愛 | 『ツバメ号とアマゾン号』などを通して、友人関係とは何かについて、『アンネの日記』『ロミオとジュリエット』などを通して、恋愛関係とは何かについて、対比的に考察する。 |
7 | 06/10 | 職業 | 『スター・ウォーズ』『姿三四郎』『ジョコンダ夫人の肖像』などを通して、若者にとって職業とは何かについて、さらには職場における年長者と年少者の交流について考察する。 |
8 | 06/17 | 国家、おわりに | 『ニルスの不思議な旅』『あのころはフリードリヒがいた』などを通して、国家とは何かについて考察する。最後に、児童文学の愉しみについて、参加者相互間で知見を共有する。 |
ご受講に際して(持物、注意事項)
◆第1回目に、各回で取り上げる作品の概要をお伝えしますので、事前にそれらの作品お読み(読み返して)いただくと、理解が深まります。
講師紹介
- 奥井 智之
- 亜細亜大学教授
- 社会学者。奈良県生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。多数の社会学の概説書の執筆や翻訳に従事するとともに、各種の主題について独自の社会学的思索を展開している。著書:『社会学 第2版』『社会学の歴史』『宗教社会学』(東京大学出版会)、『プライドの社会学』(筑摩選書)、『日本問題』(中公新書)、『アジールとしての東京』『恐怖と不安の社会学』(弘文堂)など。訳書:Z. バウマン著『社会学の考え方 第2版』『コミュニティ』、R. L. ハイルブローナー『入門経済思想史』(ちくま学芸文庫)など。趣味は、庭仕事(とくに椿の栽培)とお能。奈良市観光大使。