ジャンル 現代社会と科学

早稲田校

戦後政治と自動車行政―官僚と米国の壁

  • 春講座

石井 正(時事通信社客員解説委員、時事総合研究所客員研究員)

曜日 水曜日
時間 13:10~14:40
日程 全4回 ・04月23日 ~ 05月21日
(日程詳細)
04/23, 05/07, 05/14, 05/21
コード 110721
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 11,880
ビジター価格 受講料 ¥ 13,662

目標

・日本の自動車生産・輸出をめぐる業界と官僚や対米関係の流れを把握、理解を深める。
・戦後の復興・高度成長と自動車産業の関係性などを解きほぐす。
・1960年代からの通産官僚による自動車業界再編成の動きやその背景、是非などを掘り下げる。
・日米貿易摩擦の象徴的存在としてあり続けている実態や、政治的・経済的・環境面への影響を解明する。

講義概要

日本の自動車産業は、1955年に通産省が「国民車構想」を発表し、同構想に見合った自動車の製造・販売を国が支援すると打ち出したことで乗用車国産化の動きが加速した。1960年代に政府は、貿易自由化に備えるためとして自動車業界の再編を企図したが本田宗一郎氏と激突。結果として民間活力は維持される一方、行政の在り方に一石を投じることになった。その後も各社は米市場などで版図を広げていったため、自動車が日米関係の最大の懸案事項となり、対米輸出規制に追い込まれた。また、地球温暖化の元凶が自動車とされたこともあり、石化燃料に依存しないクルマづくりを迫られるなど国際世論や政治に翻ろうされ続けている。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 04/23 国民車構想の目指したもの 日本における自動車産業は、1955年に政府が走行可能距離などの条件を満たせば国が製造・販売を推進するという「国民車構想」を打ち上げたことで始まる。
同構想は当時としてはハードルが高く、見合うクルマづくりには至らなかった。
だが、これを契機にして民間企業各社の開発競争が激化し、一般産業界の成長と並行しながら軽自動車などが普及していく流れを詳述する。
2 05/07 行政主導の業界再編構想の是非 1960年代に入って、貿易自由化の荒波に日本自動車メーカーが飲み込まれることを危惧した政府が、既存のメーカーを軸にした大再編構想を提案する。
これに4輪車では実績のなかった本田宗一郎氏が猛然と反発。通産省と激論を戦わす一方、4輪車部門での実績づくりに動く。
政府の構想はとん挫したため、民間活力は維持され、先行する米メーカーと比肩し得るレベルまで伸張した動きを詳解する。
3 05/14 日米貿易摩擦の主役に 1970年代に日本自動車メーカーは巨大市場アメリカでも存在感を増していく。
とりわけ石油危機を受けて低燃費の日本車人気が沸騰、米3大メーカーがリストラを迫られたこともあって自動車摩擦が日米間の最大の政治問題化していく。
1980年代に入ってから日本勢は自主的な対米輸出規制に踏み切るが、その後も政治レベルの問題としてあり続けて今日に至る流れを深堀りする。
4 05/21 環境対応への国際世論の高まり 日本経済の基幹部門となった自動車産業だが、日米摩擦の主因との位置付けは振り払えぬままに推移。
米国などからは、日本異質論や為替操作疑惑などが提起されて、政治的な流れに振り回され続ける。
さらに、自動車が地球温暖化の元凶ともされたこともあり、環境対応に官民挙げて取り組むなど激動が続く模様を詳述する。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆毎回、A4用紙数枚の参考資料をご提供します。
◆それに書き込むための筆記用具があれば大丈夫です。
◆休講が発生した場合の補講は、5月28日(水)を予定しております。

講師紹介

石井 正
時事通信社客員解説委員、時事総合研究所客員研究員
1949年埼玉県生まれ。71年中央大学法学部法律学科卒業。時事通信社入社後は一貫して経済畑で勤務。87年から92年までニューヨーク特派員。帰国後は経済部デスク、電子メディア編集部長、産業部長、編集局総務、解説委員など歴任。武蔵大学客員教授などを経て2014年から時事総合研究所客員研究員、2023年から時事通信社客員解説委員。
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