ジャンル 世界を知る
早稲田校
多言語・多文化の国スイス
踊 共二(武蔵大学教授)
曜日 | 火曜日 |
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時間 | 15:05~16:35 |
日程 |
全4回
・07月29日 ~
08月26日 (日程詳細) 07/29, 08/05, 08/19, 08/26 |
コード | 120314 |
定員 | 30名 |
単位数 | 1 |
会員価格 | 受講料 ¥ 11,880 |
ビジター価格 | 受講料 ¥ 13,662 |
目標
・複数の言語と文化が平和的に共存する国の典型例としてのスイスについて理解する。
・人口890万の小国スイスがなぜ世界的に知られ、各国の要人を含め、多くの訪問者を迎えているのか、その理由について理解する。
講義概要
第1回目の講義ではスイスという国の成り立ちについて短く説明し、内政、外交、文化の特徴をつかみます。第2回目はスイス経済の特質と明治以来の日本との交流について学びます。第3回目はスイスの大自然、文化遺産、ツーリズムについて考察します。第4回目は建築文化をとりあげます。それぞれの回では地域(言語圏)による違いと一致点に目を配ります。全体をつうじてスイスという国の魅力が何に由来するのかが理解できるようにします。
各回の講義予定
回 | 日程 | 講座内容 | |
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1 | 07/29 | スイスの成り立ち | ドイツ・フランス・オーストリア・イタリアという大国に囲まれたアルプスの山岳地帯に位置するスイス連邦。なぜこうした場所に小さな独立国家が誕生したのか。その歴史と現状について解説します。そのさい、モナコ、アンドラ、バチカン、リヒテンシュタインなどの小国家との共通点と相違にも言及します。スイスという国家の特徴は直接民主制的な制度にありますが、講義では最近の国民投票の結果をみながら、有権者の「多数決」で政策を決めることの長所と短所について考えます。 |
2 | 08/05 | スイス経済の特質/日本との交流 | 日本とスイスの関係は幕末の横浜での交易に始まり、日瑞修好通商条約(1864年)、岩倉使節団(1871〜73年)のスイス訪問と国情の紹介によって深まり、繁栄する「小国」の模範例と位置づけられたことで認知度が飛躍的に高まります。酪農と時計工業という伝統と革新の経済モデルはその時代から不変です。牛乳とチーズの国にみえるスイスでいったいなぜ世界有数の精密機械工業、食品加工、製薬、金融業が栄えたのか、その秘密をさぐります。 |
3 | 08/19 | 観光資源とツーリズム/大自然と文化遺産 | 山と湖の国スイスは観光資源に恵まれており、18世紀から貴族の子弟たちのグランドツアーの目的地になっています。やがて登山、ウィンタースポーツ、余暇旅行の大衆化によって観光業はスイスの国富の基盤となって現代に至ります。最近ではユネスコの世界遺産(複数国にまたがるものを含めて文化遺産9、自然遺産4)もこれを後押ししています。講義ではその全体像を概観します。 |
4 | 08/26 | 多様な建築文化と空間構成/古民家・教会・モダニズム建築 | 古い時代のスイスは貴族領と自治的な都市共同体と農村共同体で構成されており、城郭だけでなく都市や村落の庁舎と密集した民家がその歴史を伝えています。教会と広場にも独特の存在感があります。それぞれの地域に建築上の特徴があります。その背景は気候、地形、文化、宗派などの違いです。こうした伝統をよそにスイス諸都市は現代建築にも開かれています。講義では古いものと新しいものが溶け合う都市、郊外、農村地帯の景観を紹介します。 |
講師紹介
- 踊 共二
- 武蔵大学教授
- 1960年福岡県生まれ。早大文学部、同大学院で西洋史を専攻。博士(文学)。単著として『図説スイスの歴史』(河出書房新社)、『一冊でわかるスイス史』(河出書房新社)、『非暴力主義の誕生』(岩波新書)、『改宗と亡命の社会史』(創文社)、共著として『忘れられたマイノリティ―』(山川出版社)、編著として『アルプス文化史』などがある。