ジャンル 文学の心

早稲田校

日本文学・日本映画の中の戦争 1930年代から1950年代まで

  • 春講座

五味渕 典嗣(早稲田大学教授)

曜日 金曜日
時間 10:40~12:10
日程 全7回 ・04月04日 ~ 05月30日
(日程詳細)
04/04, 04/11, 04/18, 05/09, 05/16, 05/23, 05/30
コード 110120
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 20,790
ビジター価格 受講料 ¥ 23,908

目標

・文学表現を読み解く力を身につける。
・戦争とメディアとのかかわりについて理解を深める。
・日本社会が「先の大戦」をどう受けとめてきたかを考える。

講義概要

2025年は第二次世界大戦・アジア太平洋戦争の終結から80年目の節目の年ですが、1937年の盧溝橋事件から数えても8年の長きにわたって続いた戦争は、日本とアジア太平洋の地域社会に大きな傷跡となって刻まれています。この講義では、あえて戦争の同時代にまで遡り、当時の軍・政府が国民向けにどんな戦争を見せようとしていたのか、また、戦後の日本社会は直近の戦争の経験と記憶をどのように表現していたかについて、当時の文学作品や映画を題材に振り返ってみたいと考えています。教材はプリントで配付します。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 04/04 概説——総力戦の時代と文学・映画 日本から見た日中戦争・アジア太平洋戦争の展開を概観し、当時の国家が文学や映画にどんな役割を期待したかを確認します。
2 04/11 戦時下の文学・映画① 石川達三『生きてゐる兵隊』と日本のメディア統制 日中戦争期最大の筆禍事件と言われる石川達三の小説がなぜ当局から問題視されたのか、資料をもとにたどり直します。
3 04/18 戦時下の文学・映画② 火野葦平と「兵隊」ブーム 1938年にデビューした火野葦平は、瞬く間にベストセラー作家にのし上がっていきます。火野の『麦と兵隊』『土と兵隊』を分析し、彼の表現がなぜ・どんな観点から評価されたかを探ります。『土と兵隊』の映画版についても言及します。
4 05/09 戦時下の文学・映画③ 「1941年12月8日」はどう表現されたか 帝国日本にとってアメリカやイギリスなどとの戦争は、世界戦争であると同時に「世界観」をめぐる戦争でもありました。そのような戦争の始まりを、文学者たちはどう表現したのか。太宰治や坂口安吾の小説を手がかりに考えます。
5 05/16 戦後の文学・映画① 空襲文学としての坂口安吾 日本敗戦後の坂口安吾は、文学を通じて新しい時代を自分なりに切り開こうとする努力を始めます。「白痴」「堕落論」を精読し、安吾の思考の展開に迫ります。
6 05/23 戦後の文学・映画② メロドラマとミステリー 1930〜50年代は、日本文学・日本映画の双方で多くのメロドラマ作品が人気を集めていました。ここでは、横溝正史のミステリー『獄門島』を、メロドラマの想像力という観点から読み解いていきます。
7 05/30 戦後の文学・映画③ 「1945年8月15日」はどう表現されたか 戦後の日本社会は、戦争の敗北をどう受け止め、表現したのでしょうか。敗戦後に「1945年8月15日」を描いた小説と映画に注目して掘り下げていきます。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆とくに教科書等は指定しません。教材は授業時にプリントで配付します。
◆予習は必須としませんが、講義で言及した作品は積極的に取ってみてください。

講師紹介

五味渕 典嗣
早稲田大学教授
博士(文学、慶應義塾大学)。専門は近現代日本語文学・文化研究。近年はとくに、日中戦争・アジア太平洋戦争の戦争表現とメディア統制とのかかわりを中心に研究を進めている。著書に『「敗け方」の問題 戦後文学・戦後思想の原風景』(有志舎、2023年)他。
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