ジャンル 世界を知る

早稲田校

アッシリア帝国の歴史と文化

  • 冬講座

山田 重郎(筑波大学名誉教授)

曜日 月曜日
時間 13:10~14:40
日程 全6回 ・01月26日 ~ 03月09日
(日程詳細)
01/26, 02/02, 02/09, 02/16, 03/02, 03/09
コード 140305
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 17,820
ビジター価格 受講料 ¥ 20,493

目標

・世界最古の帝国とされるアッシリアの歴史と文化を知る
・関連の楔形文字文書史料と考古学資料の詳細を知る

講義概要

紀元前8〜7世紀に西アジアの広域を支配し、人類史上最古の帝国と考えられてきたアッシリア。この国家はどのように生まれ、どのように西アジアに君臨し、100年ほどの繁栄の後に歴史の舞台から姿を消したのか。アッシリアの政治、行政、軍事、社会、宗教、言語と文字文化の詳細を楔形文字文書史料と考古学資料に基づいて学び、帝国の形成、繁栄、滅亡の実態を明らかにする。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 01/26 都市国家から領域国家、そして帝国に 紀元前2000年頃に都市国家アッシュルとして始まった小国が、前14世紀に領域国家として地域大国になり、前8世紀には西アジアの広域に帝国として君臨するまでの国家の歩みを概観する。
2 02/02 帝国建設者サルゴン2世:メソポタミアの過去と新時代 帝国建設者とされるサルゴン2世の出自の謎と、サルゴン2世がメソポタミアの過去にどのような範を求めて新時代を築こうとしたのかを精査し、歴史における記憶の問題を考える。
3 02/09 センナケリブとバビロニア問題 サルゴン2世の子センナケリブは、アッシリアの南方にあって大きな政治的求心力を持つメソポタミアの聖都たるバビロンの統治に苦慮し、ついにはこの伝統都市を破壊して、国内外に大きな波紋を呼び起こした。センナケリブのバビロニアに対する政治的・軍事的対応を辿り、背後にある宗教文化的な問題を考える。
4 02/16 エサルハドンの苦悩:病苦、厄除け、王位継承 センナケリブの子エサルハドンは、正式な皇太子であったにも関わらず、兄弟たちの内乱により苦労の末に即位した。病苦に悩まされながら帝国を統治したエサルハドンの宮廷の様相とそれを取り巻く呪術師、占い師、医師などの知識人グループの活動から内政のメカニズムを解明する。
5 03/02 アッシュルバニパル時代の帝国の繁栄:帝都ニネヴェと帝国統治 アッシリア帝国最後の英主とされるアッシュルバニパル治世下のアッシリアの歴史と文化を学ぶ。また、最大の文化事業であったアッシュルバニパルの図書館建設についての史資料を精査し、その蔵書の内容、収集・管理のプロセス、目的について考える。
6 03/09 帝国の落日とアッシリアの記憶 アッシュルバニパルの治世後半以降の史料に乏しい帝国末期の歴史を精査し、なぜ、どのように帝国が滅亡の道をたどったのかを考察する。また、アッシリア滅亡後、アッシリアの住民に何が起こり、アッシリアのレガシーは西アジアや西欧世界にどのように記憶されたのかを探求する。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆休講が発生した場合の補講日は3/16(月)を予定しています。

テキスト

テキスト
山田 重郎『アッシリア 人類最古の帝国』(筑摩書房)(ISBN:978-4480076205)

講師紹介

山田 重郎
筑波大学名誉教授
1959年生まれ。筑波大学大学院歴史・人類学研究科(西洋史専攻)単位取得退学。エルサレム・ヘブル大学大学院古代中近東研究科博士課程修了(Ph.D.)。専攻はアッシリア学(楔形文字文書研究)。特に、アッシリアの国家形成、メソポタミアの歴史記述、後期古バビロニア時代の歴史と文化を研究。
筑波大学名誉教授。
著書に『アッシリア 人類最古の帝国』(筑摩書房、ちくま新書)、『ネブカドネザル2世 バビロンの再建者』(山川出版社、世界史リブレット人)、The Construction of the Assyrian Empire (Brill)、The Royal Inscriptions of Tiglath-pilesesr III (744—725 BC) and Shalmaneser V (726-722 BC), Kings of Assyria (共著, Eisenbrauns)など。

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