ジャンル 芸術の世界

早稲田校

歌舞伎から見る日本文化 カブキの発想とその美感

  • 夏講座

鈴木 英一(早稲田大学演劇博物館招聘研究員、常磐津節演奏家)

曜日 土曜日
時間 15:05~16:35
日程 全5回 ・07月18日 ~ 09月05日
(日程詳細)
07/18, 07/25, 08/01, 08/29, 09/05
コード 120402
定員 41名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 15,868
ビジター価格 受講料 ¥ 18,095

目標

・歌舞伎を楽しく観るために、「傾き」という発想を知る。
・歌舞伎の本質を知るために、その背景にある日本文化や民俗を知る。
・「藝」の巧拙を語るため、名優の至芸を映像で鑑賞する。
・歌舞伎「通」に近づくため、音曲を一節体験する。

講義概要

舞台からよみとれる歌舞伎美学にアプローチします。名作が作られた背景にある日本文化を追究し、芝居を見る感性を涵養しましょう。演技や型にこめられた意図を探り、日本人が伝承してきた美感と発想を浮き彫りにします。今期は庶民の生活を活写した世話物の中から、河竹黙阿弥による名作を取り上げます。刺激的な幕末の「悪」の表現を中心に、今なお色褪せない名作の魅力を探求します。最終回に予定の実演では、歌舞伎音楽の一節を口ずさんでみることにします。
〈岸澤式松プロフィール(実演者)〉
常磐津節三味線方。平成3年入門以来、歌舞伎公演・日本舞踊公演で随時活動する演奏家。平成15年から「岸澤式松の会」開催。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 07/18 世話物名作鑑賞①「三人吉三」 「こいつぁ春から縁起がいいわえ」の名ゼリフで知られる、上演頻度の高い作品ですが、作品の全体像は一筋縄ではいかない複雑な因果譚です。その関係図を繙くと同時に、庚申・盗賊・異性装・近親相姦・八百屋お七譚などのキーワードに注目したいと思います。
2 07/25 世話物名作鑑賞②「弁天小僧」 稚児あがりの美少年が、武家の娘になりすまして商家に強請りに入る。悪事が露見すると女の形りを崩して、彫り物の入った白肌をみせて「知らざぁ言って聞かせやしょう」と名乗る。とても複雑な美学ですが、近現代になっても歌謡曲の題材にもなった人気狂言です。主役の素性から、立ち腹を切るまでの短い一生をおってみましょう。
3 08/01 世話物名作鑑賞③「髪結新三」 庶民の生業風俗が最も取材されている作品です。また「青葉・時鳥・初鰹」という季節感も味わい所。髪結職人がなぜ、土地の侠客の威勢にも負けない悪党たり得るのか、またそれを押さえる力のある〝家主〟という存在。江戸市中のパワーバランスを垣間見てみましょう。
4 08/29 生世話の魅力〈悪婆〉 世話物の中で、特に庶民の生活を活写したものを〝生〟世話といいますが、これが主として鶴屋南北作品を指すのか、河竹黙阿弥作品に対していうのか、かつて戯曲作者と学者の間で論争になりました。生世話の端緒ともなった〈悪婆〉という役柄を知ることで、その美学を探究します。
5 09/05 劇界動向と歌舞伎音曲体験 歌舞伎〝通〟になる近道は、まず音曲を理解することではないでしょうか。講師が名曲を実演し、受講生にもそのサワリを体験してもらいます。実際に口ずさんでみれば、舞踊演目の理解が飛躍的に進みます。後半には総括として、今年前半の劇界を概観します。

講師紹介

鈴木 英一
早稲田大学演劇博物館招聘研究員、常磐津節演奏家
1964年生、早稲田大学大学院博士課程満期退学。歌舞伎研究家。研究成果を活かした創作活動も行う。主著に『十代目松本幸四郎への軌跡』(演劇出版社)、歌舞伎創作に「幸希芝居遊」等がある。現在、早稲田大学演劇博物館招聘研究員、聖学院大学、宇都宮大学講師。常磐津節演奏家。

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