ジャンル 文学の心

中野校

万葉集のこころ―初期万葉の世界

  • 夏講座

大浦 誠士(専修大学教授)

曜日 金曜日
時間 10:40~12:10
日程 全6回 ・07月24日 ~ 09月11日
(日程詳細)
07/24, 07/31, 08/21, 08/28, 09/04, 09/11
コード 320103
定員 24名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 17,820
ビジター価格 受講料 ¥ 20,493

目標

・万葉集の歌を読解する。
・古代の歌の表現構造を理解する。
・歌の修辞法に対する理解を深める。

講義概要

奈良時代に編纂された万葉集には、7世紀から8世紀の歌が収められている。今を遡ること1250〜1300年前である。そこには、日本文学の黎明期の歌が載せられる。特に「初期万葉」と呼ばれる天智天皇代以前の歌は、中でも蒼古な様相を呈する。万葉集が伝存最古の歌集であるならば、ある意味、最も万葉的な歌であると言える。今回の講座では、万葉集への入口として、初期万葉の歌を取り扱ってみたい。深遠なる万葉歌の世界を堪能していただきたい。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 07/24 初期万葉の雑歌①―雄略天皇御製歌と舒明天皇国見歌― 万葉集の巻一は、雄略天皇の御製歌から始まる。現在の見解では、雄略天皇の実作とは考えられていないが、万葉集がこの雄略御製から始まることの意味は考え直してみる必要がある。続く二番歌は、万葉時代の始まりとされる舒明天皇の国見歌である。国見というものの論理に基づいてこの歌を読み解いていく。
2 07/31 初期万葉の雑歌②―中大兄の三山歌― 香具山・耳成山・畝傍山という、いわゆる大和三山を歌った中大兄の三山歌をめぐっては、その長歌に歌われる三山の妻争いについて諸説が展開されている。それらの説を紹介するとともに、私の読み解きについてお話ししたい。また、長歌と反歌の関係についても考察する。
3 08/21 額田王―春秋競憐歌と蒲生野の歌― 初期万葉を代表する女流歌人といえば額田王である。額田王をめぐっては、天智天皇と天武天皇との関係が取りざたされる。蒲生野での大海人皇子(天武天皇)との歌のやり取りが読み替えられて以来、三者の三角関係については懐疑的な見方が広がったが、その実際はどうであったのか。額田王の歌を読み解きながら考えてみたい。
4 08/28 初期万葉の相聞歌 万葉集巻二に入ると、歌の世界は「相聞」と「挽歌」となる。今回はまずは初期万葉の相聞歌を読み解いてみたい。そこにはきわめて特徴的な表現がみとめられる。それは序詞の問題である。初期万葉の相聞歌を読み解きながら、万葉的な修辞である序詞のことも考えてみたい。
5 09/04 初期万葉の挽歌①―有間皇子自傷歌― 万葉集巻二の「挽歌」部は、謀反の罪で処刑された有間皇子の挽歌群で始まる。この有間皇子の歌については、これが旅の歌であるのか、挽歌なのかが議論されたことがあるが、その表現を詳細に分析すれば、挽歌として読むべきことは明白である。有間皇子の二首に続く歌群は後世のものであるが、その歌群が有間皇子自傷歌を挽歌としているという面を見落とすことはできない。
6 09/11 初期万葉の挽歌②―天智天皇挽歌― 有間皇子挽歌群に続いて、万葉集は天智天皇の崩御に際しての挽歌群を置く。額田王の二首も含む九首の歌群である。その作者がすべて女性であることから、「女の挽歌」論が展開されたこともあるが、初期の挽歌を見ると、女であることよりも近親の異性であることに意味が見出せるようである。また、それらの九首は一様ではなく、妻たちの挽歌と大宮人の挽歌とに二分することができる。そこに万葉挽歌の成立の様相を捉えてみたい。

講師紹介

大浦 誠士
専修大学教授
1963年香川県生まれ。専修大学教授。博士(文学)。専門分野は、万葉集を中心とした上代文学、古代和歌。NHKカルチャー・朝日カルチャーなどで講師を務める。現在、上代文学会代表理事。著作物としては『万葉のこころ 四季・恋・旅』(中日新聞出版社)などがある。
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