ジャンル 文学の心

早稲田校

松本清張を読む

  • 秋講座

高橋 敏夫(早稲田大学名誉教授、文芸評論家)

曜日 火曜日
時間 13:10~14:40
日程 全5回 ・11月10日 ~ 12月08日
(日程詳細)
11/10, 11/17, 11/24, 12/01, 12/08
コード 130152
定員 34名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 14,850
ビジター価格 受講料 ¥ 17,077

目標

・松本清張が創出した社会派ミステリーの意義をたしかめる。
・各作品がどのように人と社会と時代にむきあったかを確認する。
・松本清張のように「何故だろう」という問いを日々の生活に向ける。

講義概要

松本清張がこの混乱と戦争の時代に大々的に復活しています。松本清張は、人と社会の暗い秘密をさぐりあて、それを暴露し、告発しつづけました。今回精読するのは次の5作品。古代史の謎と現代進行形の謎がかさねられた大作『火の路』、1978年のイラン取材旅行中に「血の金曜日」に遭遇して書かれた作品『白と黒の革命』。戦後最大の倒産事件といわれた問題等も背景とした『二重葉脈』、絵への執念も反抗も良妻は刈り取ってしまうのかと問うた『生けるパスカル』、人それぞれの破局と「死」につながる十一の物語が集められた『死の枝』。……テキスト指定はしませんが、文庫本等が手に入りましたら、ぜひ読んでおいてください。

各回の講義予定

回 日程 講座内容
1 11/10 古代史の謎と現在進行形の謎がかさねられた大作―『火の路』を精読する 若手の古代史研究者高須道子は、故あって学問を捨てざるを得なかった梅津からイラン行きをつよくすすめられた。凡百の学者は見れども見えず状態だが、見ようと欲すれば必ず見えてくるものがあるはずだと。
2 11/17 1978年のイランへの取材旅行中、「血の金曜日」に遭遇して書かれた―『白と黒の革命』を精読する 「文庫本のためのあとがき」で松本清張は、イランは「近代化の路線を歩むべき」だが、そうなるまでには「さらに大きな試練を受けなければならない」と書く。はたして2026年のイスラエル・米国との戦争も想定されていただろうか。
3 11/24 戦後最大の倒産事件といわれた問題等も背景とした―『二重葉脈』を精読する 東京荻窪駅に近い杉並公会堂は、異様な緊張につつまれていた。戦後設立され発展に発展を続けてきたイコマ電器が倒産。設立当時は百人ほどの従業員が倒産前には二千三百人にのぼっていた。経済界だけでなく世間に大きな話題をまいていた。倒産の真相が今明かされるか……。
4 12/01 絵への執念も反抗も良妻は刈り取ってしまうのか―『生けるパスカル』を精読する 画家の矢沢は、常々、「おれは女房の使用人だ」と思わざるを得ない。注文主や画商の代弁的な性格の妻を持っているからだった。懇意にする美術雑誌記者は、それでは亭主の反逆精神を奪ってしまう。絵に対する執念も反抗も刈り取ってしまうと言うのだが。
5 12/08 人それぞれの破局と「死」につながる十一の物語―『死の枝』を精読する 「ああ、そうか、これは、うまく計算された犯罪だなと思いました。偶然にみせかけて、その偶然が全部、人工的な、見えない紐になっていると思いましたよ」。人それぞれの破局と死につながる11の物語。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆テキスト指定はしませんが、文庫本などでそれぞれの作品を読んでおいてください。

講師紹介

高橋 敏夫
早稲田大学名誉教授、文芸評論家
1952年香川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、同大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学。早稲田大学文学部・大学院文学研究科教授を経て、現在、早稲田大学名誉教授。日本近現代文学研究。『松本清張 「隠蔽と暴露」の作家』(集英社新書)、『藤沢周平 負を生きる物語』(同)、『井上ひさし 希望としての笑い』(角川新書)、佐高信との長篇対談など多くの著作がある。

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