ジャンル 日本の歴史と文化

早稲田校

旧石器時代の遺跡と文化

  • 秋講座

長﨑 潤一(早稲田大学教授)

曜日 月曜日
時間 10:40~12:10
日程 全9回 ・09月28日 ~ 12月14日
(日程詳細)
09/28, 10/05, 10/19, 10/26, 11/02, 11/09, 11/16, 11/30, 12/14
コード 130208
定員 36名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 26,730
ビジター価格 受講料 ¥ 30,739

目標

・列島の旧石器遺跡について発掘調査の成果に基づいて解説し、旧石器遺跡への理解を深める。
・東京近郊に居住していた旧石器人の生活について知る。
・定住しないノマドとして暮らしていた旧石器人類の暮らしを理解することは、人間の本性について知ることにもなる。

講義概要

現代日本人の起源は縄文人でしょうか。そう、違いますよね。日本列島には1万か所以上の旧石器遺跡が見つかっています。そして縄文人は旧石器人の末裔です。この講座では列島の旧石器遺跡を紹介しながら、氷河期の環境下で旧石器人がどんな暮らしをしていたのか、旧石器文化は地域によってどのように異なっていたのかを解説します。豊富な写真や図表を見ながら、旧石器人の独特の暮らしと文化について学びます。定住しない旧石器人の暮らしを理解することで現代社会に生きる我々の中にひそむ「旧石器人の心性」についても理解を深めましょう。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 09/28 旧石器時代の暮らし 旧石器時代は氷河期で現在とは全く異なった寒冷期だった。そして数十年〜数百年で気温が急上昇、急下降する気候であった。そんな寒冷期の日本列島で人類はどのように暮らしていたのだろうか。狩猟採集を行い、定住しない暮らしとはどんな生活だったのだろうか。
2 10/05 旧石器遺跡の研究法 研究者はどのように旧石器時代の遺跡を研究するのだろう。研究者は石器や石器群、遺跡をどうやって分析し比較検討するのだろうか。いくつかの研究手法を紹介しながら、旧石器時代の人類の生活や社会に迫る研究方法を解説する。
3 10/19 武蔵野台地最大の旧石器遺跡を知る(小平市鈴木遺跡) 鈴木遺跡は国史跡であり、旧石器時代のほぼ全ての時期に居住されている。旧石器時代の各時期の石器群について鈴木遺跡資料を題材に解説する。石神井川の源流部という特異な立地をもつ鈴木遺跡であるが、他の遺跡に比べ黒曜石の出土が多いことでも知られている。
4 10/26 石神井川中流域の旧石器遺跡(練馬区東早淵遺跡と高稲荷遺跡) 石神井川の中流域に重層遺跡として知られる東早淵遺跡がある。Ⅹ層〜Ⅳ層まで多くの文化層が検出された東早淵遺跡では、Ⅸ層〜Ⅶ層で多くの礫群が検出された。この時期の礫群はたいへん珍しい。東早淵遺跡の南側、石神井川の対岸には高稲荷遺跡がある。ここでは砂川期の石器群が出土した。両遺跡を紹介する。
5 11/02 国分寺崖線の遺跡群をたずねて(世田谷区下山遺跡・瀬田遺跡) 武蔵野台地南部にある国分寺崖線は、旧石器遺跡の宝庫である。1970年代以降、日本の旧石器研究を牽引したのが国分寺崖線の遺跡群の調査である。世田谷に所在する下山遺跡、瀬田遺跡では最下層のⅩ層で多くの石斧が出土している。これらの石斧を製作した凝灰岩や緑色岩はどこからもたらされたのだろうか。石斧石材研究についても紹介する。
6 11/09 池の周りの旧石器遺跡(井の頭池遺跡群) 三鷹市と武蔵野市にまたがる井の頭池は、井の頭公園として都民の憩いの場になっている。池は豊富な湧水の賜物であるが、この湧水は神田川の源流となっている。この神田川の湧水地点を囲むように旧石器遺跡が数多く分布し、武蔵野台地屈指の旧石器遺跡群となっている。この池の周りの遺跡群について解説する。
7 11/16 白子川流域の旧石器遺跡(練馬区比丘尼橋遺跡) 武蔵野台地の北側を流れ、荒川低地へとそそぐ白子川の流域にも旧石器遺跡が知られている。比丘尼橋遺跡は1990年代には調整池の建設で発掘調査が行われ、近年では外環道の建設に伴い、大規模な発掘調査が行われた。そしてⅣ層を中心に多くの礫群と石器集中部が検出された。
8 11/30 標高1000mを超える安山岩原産地の遺跡(長野県香坂山遺跡) 長野県佐久市の香坂山遺跡は昨年国史跡となった。列島最古期の石刃石器群がみつかった遺跡である。遺跡は安山岩原産地に立地している。香坂山遺跡の出土資料には石刃以外にも多くの注目点がある。話題豊富なこの遺跡の資料を紹介したい。
9 12/14 北海道の旧石器遺跡を知る(千歳市柏台1遺跡) 新千歳空港のすぐ近くにある柏台1遺跡。この遺跡の調査では、分厚い火山灰層(恵庭a火山灰)に覆われて保護された石器群が検出された。保存状態の良好なこの遺跡では石器集中部に必ず炉が伴っていた。また火山灰層の直下には当時の森林の姿も保存されていた。柏台1遺跡の調査から旧石器時代の居住地の景観に迫りたい。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆2026年度の春学期の「旧石器時代の考古学」とは別講座であり、内容・構成を異にしています。初めて受講しても十分に理解出来る講義を行います。

講師紹介

長﨑 潤一
早稲田大学教授
1961年岡山県生まれ。早稲田大学大学院出身。専攻分野は旧石器考古学。主な著書は『大論争 日本人の起源』(宝島社新書)、「白滝第30地点遺跡の1957年調査資料について」菊池徹夫編『比較考古学の新地平』(同成社)、「長野県日向林B遺跡の石斧について」『史観』(第164冊)(早稲田大学史学会)、「北海道蘭越町立川1遺跡第4次・5次調査概報」『早稲田大学大学院文学研究科紀要』70。

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