ジャンル 芸術の世界

早稲田校

ショパン・コンクール100年 草創期から第19回まで

  • 秋講座

青柳 いづみこ(ピアニスト、文筆家)

曜日 火曜日
時間 15:05~16:35
日程 全6回 ・10月27日 ~ 12月08日
(日程詳細)
10/27, 11/10, 11/17, 11/24, 12/01, 12/08
コード 130456
定員 42名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 17,820
ビジター価格 受講料 ¥ 20,493

目標

・2027年に創設100年を迎えるショパン・コンクールの歴史と意義を知る。
・音源や映像を通してショパン音楽の魅力を知り、鑑賞能力を高める。
・コンクールが産んだピアニストを通して、音楽家のキャリアについて考える。

講義概要

ポーランドのワルシャワで5年に一度開催されるショパン国際ピアノ・コンクールは、2027年に創設100年を迎える。過去にポリーニ、アルゲリッチ、ツィメルマン、ブーニンなどのスターを生み、21世紀も若手ピアニストの最高峰の登竜門として君臨している。ここでは、草創期から2025年の第19回までを5回にわけ、それぞれの回が生み出したピアニストたちの演奏とコンクールにまつわるエピソードを紹介する。間には、「リアル・ショパン」を求めて2018年に創設されたピリオド楽器のためのショパン・コンクールの回も設け、ショパン時代の楽器を使い、当時の演奏習慣の再現を試みるコンテスタントたちの演奏を紹介する。

各回の講義予定

回 日程 講座内容
1 10/27 ショパン・コンクール創設 ショパン・コンクールは1927年、ショパンの曾孫弟子のジュラヴレフとレシェティツキの弟子ジェヴィエツキによって創設された。目的は、当時「過度にロマンティックで危険なまでにセンチメンタル」とみなされていたショパンの音楽を本来の姿に戻すことだった。ここでは、レフ・オボーリンが優勝した第1回、日本の原智恵子が出場した第3回、ポーランドのチェルニー=ステファンスカ、ソ連のベラ・ダヴィドヴィチが優勝を分け合った第4回など、創設期のコンクールについて、当時の音源をまじえて紹介する。
2 11/10 1955年から1970年まで ポーランドのハラシェヴィチとソ連のアシュケナージが激しく争い、中国のフーツォンが第3位、日本の田中希代子が第10位に入賞した第5回。ポリーニが優勝し、審査員のアルトゥール・ルービンシュタインが「我々の誰もこの若者のようにピアノが弾けない」とコメントしたと伝えられる第6回。アルゲリッチが優勝し、中村紘子が第4位に入賞した第7回。アメリカのオールソンが優勝、日本の内田光子が第2位に入賞した第8回のコンクールについて、当時の映像や音源をまじえて紹介する。
3 11/17 1975年から1995年まで ポーランドのツィメルマンが優勝し、ソ連のディーナ・ヨッフェが第2位に入賞した第9回。ポゴレリチ問題で揺れ、ベトナムのダン・タイ・ソンが優勝、日本の海老彰子が第5位に入賞した第10回。ブーニン現象を産み、小山実稚恵が第4位に入賞した第11回、優勝者が出ず、アメリカのケヴィン・ケナーが第2位、横山幸雄が第3位に入賞した第12回、フランスのフィリップ・ジュジアーノとロシアのアレクセイ・スルタノフが同率2位となった第13回について、当時の映像や音源をまじえて紹介する。
4 11/24 2000年から2015年まで ユンディ・リが中国人としてはじめて優勝し、サー・チェンも第4位に入賞した第14回。ブレハッチがポーランド人として4人目の優勝者となり、関本昌平と山本貴志が同率4位に入賞した第15回。当初書類・DVD審査で落ちていたアヴデーエワが審査員の一人、フーツォンの抗議によって救済され、最終的に優勝した(第2位、第3位もロシア勢が占めた)第16回。韓国のチョ・ソンジンが優勝し、ダン・タイ・ソン門下のケイト・リウが第3位に入賞した第17回について、当時の映像や音源をまじえて紹介する。
5 12/01 ピリオド楽器のためのショパン・コンクール 「リアル・ショパン」を求めて2018年に創設されたピリオド楽器のためのコンクールは、ポーランドのトマシュ・リッテルが優勝、日本の川口成彦が第2位に入賞。プレイエルやエラール、ブッフホルツなど、ショパン時代の楽器を使用し、当時の演奏習慣の再現も求められたが、審査員にはモダンとピリオドの専門家が混在していたため、解釈のすり合わせに問題が生じた。第2回は2023年に開催され、カナダのエリック・グオが優勝している。過去2回のコンクールについて、映像や音源をまじえて紹介する。
6 12/08 2021年の第18回と2025年の第19回 コロナ禍のために1年延期されて2021年に開催され、カナダのブルース・リウがダン・タイ・ソン門下として初めて優勝した第18回は、日本の反田恭平が第2位、小林愛実が第4位に入賞している。2025年の第19回は、2010年の第4位、エリック・ルーが再挑戦して優勝、ダン・タイ・ソン門下のズートン・ワンも第3位、日本の桑原志織は第4位に入賞した。同率4位の中国のティエンヤオ・リュウは16歳で、中国の初期教育の成果が証明された。アジア系が優勢となった過去2回について映像や音源をまじえて紹介し、ショパン・コンクール100年の総括を行う。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆参考図書として、講師の著書『ショパン・コンクール2026』(仮・集英社新書)をお読みいただくと、より理解が深まります。(購入は必須ではありません)

講師紹介

青柳 いづみこ
ピアニスト、文筆家
1976年、マルセイユ音楽院首席卒業。1980年ピアニスト・デビュー。1989年、東京芸術大学大学院博士課程修了。『ドビュッシーと世紀末の美学』で学術博士号。1990年、文化庁芸術祭賞。演奏と文筆を両立させ、2026年までに著作は36作、CDは26点を数える。『翼のはえた指』で吉田秀和賞、『6本指のゴルトベルク』で講談社エッセイ賞、『ロマンティック・ドビッュシー』でミュージックペンクラブ音楽賞。近著に『ショパン・コンクール2026』(仮題・集英社新書)、CDに『逃げ出させる歌』(ALM)。大阪音楽大学名誉教授。日本ショパン協会、日本演奏連盟理事。兵庫県養父市芸術監督。
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