ジャンル 日本の歴史と文化
中野校
地形に挑む鉄道線路の研究
今尾 恵介(地図研究家、一般財団法人日本地図センター客員研究員)
| 曜日 | 金曜日 |
|---|---|
| 時間 | 13:10~14:40 |
| 日程 |
全6回
・10月23日 ~
12月04日 (日程詳細) 10/23, 10/30, 11/13, 11/20, 11/27, 12/04 |
| コード | 330209 |
| 定員 | 54名 |
| 単位数 | 1 |
| 会員価格 | 受講料 ¥ 17,820 |
| ビジター価格 | 受講料 ¥ 20,493 |
目標
・険しい地形の悪条件の中、日本でいかに鉄道線路が敷設されたかを知る。
・鉄道の「山登り」の基本とその実例を日本と外国の事例から学ぶ。
・線路の「川渡り」の手法を地図で観察し、鉄道線路の地形克服方法を知る。
講義概要
日本の地形はその7割近くが山岳や丘陵地で占められている。別の地方へたどり着くために越えなければならない峠は数多い。明治に始まった近代国家で欧米の技術を取り入れながら、険しい地形や標高差のある目的地へ汽車を走らせるルート選びに挑戦した。碓氷峠、笹子峠、丹那トンネル、清水トンネルなど、厳しい工事を経ながらも旅客・貨物を運び続けて日本の近現代を支えたのである。本講座では日本の鉄道建設の手本となった欧州など外国での事例も参照しながら、日本の津々浦々に張り巡らされた鉄道のルートを、地図を駆使しつつ「線路の歴史」の視点から考える。
各回の講義予定
| 回 | 日程 | 講座内容 | |
|---|---|---|---|
| 1 | 10/23 | 線路はどのように敷けばよいか | 線路の鉄則は急勾配と急曲線を避けること。明治期に定められた鉄道建設規程と線路縦断面図を参照しながら、線路設計の基礎を学ぶ。 |
| 2 | 10/30 | 鉄道線路は迂回して山を登る | 線路の山越えは基本的に「迂回」である。その変種であるループ線にも焦点を当て、しばしば「陰謀史観」も語られる謎のルートを観察する。 |
| 3 | 11/13 | 時間と経費を節約した「スイッチバック」 | 英語でジグザグと呼ばれるスイッチバック。その大半が明治期の発祥から昭和戦中期までに建設されるが、戦後は次々と消滅。この技術に改めて焦点を当てる。 |
| 4 | 11/20 | 超急勾配を克服する歯軌条・ケーブル | 列車の歯車とレールの歯を噛み合わせて急勾配を上下する欧州発の技術。その方式はアプト式だけでなくさまざま。ケーブルカーも含めた登山鉄道を取り上げる。 |
| 5 | 11/27 | 長い距離の勾配ルートの設計とその変遷 | 欧州のゴットハルトに始まり、日本では清水、丹那など昭和生まれの幹線長大トンネル、そして新幹線まで。山越え幹線の輸送力増強の歴史をたどる。 |
| 6 | 12/04 | 鉄道の「川渡り」の手法とルート選び | さまざまな顔をもつ河川を越えるのも鉄道にとっては難問だ。深い谷をどう越えるか。幕末期の欧州の大橋梁から新幹線まで、橋の形式もダテでは選んでいない。 |
講師紹介
- 今尾 恵介
- 地図研究家、一般財団法人日本地図センター客員研究員
- 1959年横浜市出身。明治大学文学部ドイツ文学専攻中退後、出版社勤務を経て地図・地名・鉄道の分野での執筆活動を開始。著書に『地名散歩』(角川新書)、『地図帳の深読み』(帝国書院)、『駅名学入門』(中公新書ラクレ)、『地図で読む戦争の時代』(白水社)、など多数。『地図マニア空想の旅』(集英社)で斎藤茂太賞、『日本200年地図』(河出書房新社)で日本地図学会賞、日本地理学会より2019年度日本地理学会賞(社会貢献部門)、2026年には国土交通省より第67回交通文化賞をそれぞれ受賞。日本地図学会「地図と地名」専門部会主査、名古屋レールアーカイブス会員、深田研ジオ鉄普及委員会委員。




