ジャンル 人間の探求

中野校

浄土信仰から読む『歎異抄』

  • 秋講座

吉村 均(中村元東方研究所専任研究員・慶應義塾大学大学院特任教授)

曜日 月曜日
時間 13:10~14:40
日程 全5回 ・11月02日 ~ 12月07日
(日程詳細)
11/02, 11/09, 11/16, 11/30, 12/07
コード 330502
定員 24名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 14,850
ビジター価格 受講料 ¥ 17,077

目標

・仏教、特に浄土信仰についての理解を深める。
・伝統的理解に基づき、釈尊の教えと日本人のつながりを自覚する。

講義概要

近代化の中で、親鸞の教えについて唯円がしるした「歎異抄」は多くの人に読まれてきました。しかし、必ずしも仏教の考えを踏まえて読まれたわけではありません。背景を知った上で読むのとそうでないのとでは、捉え方が大きく異なってしまう箇所も少なくありません。たとえば、唯円は親鸞が日ごろ口癖のように述べていた言葉を紹介し、それが中国の善導の教えと変わらない、と説いています。善導は親鸞が浄土七祖のひとりとして挙げる中国の高僧で、その言葉は日本の源信や法然の著作でも引用され、親鸞が門人に読むことを勧めた法然の高弟の著作でも言及されています。この講座では浄土信仰の流れを踏まえて『歎異抄』の教えを読んでいきます。

各回の講義予定

回 日程 講座内容
1 11/02 仏教における浄土とは・浄土七祖とその教え 近代ではキリスト教の天国と重ねて捉えられることが多い仏教の浄土ですが、背景は全く異なります。仏教における浄土の位置づけを紹介したうえで、親鸞が浄土七祖として挙げるインド・中国・日本の高僧(龍樹・天親・曇鸞・道綽・善導・源信・法然)とその教えについて紹介します。
2 11/09 『歎異抄』親鸞語録(1〜10条)を読む 『歎異抄』の後序と呼ばれる部分の内容を紹介したうえで、『歎異抄』の親鸞語録(1〜10条)を読んでいきます。
3 11/16 『歎異抄』親鸞語録(1〜10条)を読む 前回にひきつづき『歎異抄』の親鸞語録(1〜10条)を読んでいきます。
4 11/30 『歎異抄』異義条々(11〜18条)を読む 『歎異抄』という題名は、唯円が、自分と同様に親鸞から教えを受けた人たちが、親鸞没後に親鸞が説かなかったような内容を説いていて、自分が生きているうちは「そんなことは聖人は説かれなかった」と訂正できるが、自分が死んだら何が本当の親鸞の教えかわからなくなってしまうだろうと、泣く泣く「異」を「歎(なげ)」いてしるしたことに由来します。親鸞の教えにあらざる内容と、なぜそれが親鸞の教えと異なるかを唯円が論じた個所を読みます。
5 12/07 『歎異抄』の発見者蓮如・妙好人ー阿弥陀仏の救いを実感し得た人々 埋もれていた『歎異抄』を発見し書写したのは、浄土真宗中興の祖とされる蓮如でした。浄土真宗を大きなものにしたのは蓮如でしたが、誰彼かまわず『歎異抄』を読むことを勧めたわけではありません。伝統的な考えでは、仏教は一律の教義に従う教えではなく、何がふさわしいかは人によって変わります。数は少ないですが、浄土真宗の伝統では阿弥陀仏の救いが「わかった!」という人が現われ、妙好人と称えられました。彼らの多くは文字も読めない庶民でした。彼らの事績から、阿弥陀仏の救いが「わかる」ということに光を当てます。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆休講が発生した場合の補講日は12月14日(月)を予定しております。

講師紹介

吉村 均
中村元東方研究所専任研究員・慶應義塾大学大学院特任教授
1961年東京生まれ。東京大学文学部卒業、同大学院人文科学研究科博士課程修了。チベットの諸師より顕密の教えを学ぶ。日本学術振興会特別研究員(DC)を経て、(公財)中村元東方研究所専任研究員。2024年4月より慶應義塾大学大学院SDM研究科特任教授。著書に『日本の仏教を読み直す 空海・道元・親鸞』(北樹出版)、『日本人なら知っておきたい日本の伝統文化』(ちくま新書)、『空海に学ぶ仏教入門』(ちくま新書)、『チベット仏教入門』(ちくま新書)など。『日本思想史事典』(丸善出版)編集委員。

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