ジャンル くらしと健康

早稲田校

健康長寿・ウェルビーイングにつながる食のサイエンス

  • 秋講座

佐藤 隆一郎(東京大学特任教授・名誉教授)

曜日 月曜日
時間 10:40~12:10
日程 全4回 ・10月05日 ~ 11月02日
(日程詳細)
10/05, 10/19, 10/26, 11/02
コード 130619
定員 30名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 11,880
ビジター価格 受講料 ¥ 13,662

目標

・私たちヒトにとっての「食と栄養」の重要性を再認識します。
・適切な食生活で防ぐことのできる生活習慣病についての理解を深めます。
・抗老化による健康寿命延伸のサイエンスを学びます。

講義概要

日本人男女の平均寿命と健康寿命の差は8〜12年です。適度の運動と適切な食習慣により健康寿命を延ばし、この差を縮めることは可能と考えられています。そのためにはどのような食品を日々口にしているかを正確に把握し、食生活をウェルデザイン(Well-design)して自らの健康をコントロールする術を身に着けることが必要となります。そうした身体的に健常な状態のみならず、精神的、社会的に良好で満たされた状態であるウェルビーイングを是非とも実現したいものです。そのためにも、まずは食のサイエンスを学んで知識武装されるのはいかがでしょう。

各回の講義予定

日程 講座内容
1 10/05 食による栄養のサイエンス 食には三つの機能があると定義されています。1番目の「栄養」に係わる機能を食の1次機能と呼びます。食品には糖質、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルが含まれており、これらを五大栄養素と呼びます。日常活動に必要なエネルギー源は糖質、脂質、タンパク質から得ることになります。これらをどのような割合で摂取することが健康にとって良いのでしょうか。また私たちはビタミン類が代謝を整えてくれることを知っていますが、100年前にはビタミンの存在は知られていませんでした。食がもたらす栄養にまつわるサイエンスを学びましょう。
2 10/19 食の2次、3次機能とは 食の美味しさに関する機能を2次機能と呼びます。食材に含まれる種々の化合物が色、香りをもたらし、美味しさを引き立ててくれます。出汁に含まれる「うま味」は西欧人には知覚されない味覚とも思われていましたが、ヒトはそれを認識するうま味受容体を舌の味蕾に持っています。そして3番目の機能として「生体調節機能」が挙げられます。この生体調節機能という考えに基づき特定保健用食品(トクホ)が創出されました。さらに現在では、トクホ製品より多くの機能性表示食品がスーパーの棚に陳列されています。お茶に含まれるカテキンなどは五大栄養素に含まれない微量非栄養素として、私たちの健康維持に役立つことが明らかになっています。日々口にする食の機能について、今一度理解を深めてみましょう。
3 10/26 健康長寿を脅かす肥満、動脈硬化、骨粗鬆症 加齢に伴い血中コレステロール値が上昇し、運動不足が体重増をもたらすことにより、生活習慣病を発症することが知られています。動脈硬化を引き起こす虚血性心疾患は中年期までは男性に多い疾患ですが、女性ホルモンの低下に伴い高齢女性にも発症リスクが高まります。同じく骨粗鬆症も高齢女性に多く見られる疾患です。これらの多くは、適切な食生活により発症リスクを低減させることが可能と考えられています。食品成分による疾患発症のリスク軽減、発症遅延のからくりのサイエンスを学んでみましょう。
4 11/02 抗老化、健康寿命延伸でウェルビーイングな未来を 健康寿命は介護の必要なく自立活動ができる期間を指します。自立活動は下肢の筋量、筋力を維持することによりはじめて達成されます。しかし加齢に伴い筋量、筋力も一様に低下していきます。骨格筋機能の維持が健康寿命延伸に直結するともいえます。また近年、抗老化研究が急速に進展しており、薬剤で老化進行を抑える新たな知見が提示されています。体内に散在する老化細胞が複数の分泌因子を放出し、近傍あるいは遠位の組織に老化細胞を増やすことにより老化が進行します。抗老化は万人が望むことですが、地球上に不死の生物がいないように、老化は生物の極めて正常な生命現象です。これを強力な作用を持つ薬物で抑制することは生命現象の法則に逆らうこととなります。作用の軽微な食品を長期に渡り賢く摂取して、老化進行を穏やかに遅延させることが望まれる姿になります。

ご受講に際して(持物、注意事項)

◆休講が発生した場合、補講日は11月9日(月)を予定しています。

講師紹介

佐藤 隆一郎
東京大学特任教授・名誉教授
2人のノーベル生理学・医学賞受賞者の米国の研究室で激烈な研究修行(コレステロール代謝研究)をしてきました(1990〜1994)。帰国後、大阪大学薬学部・助教授を経て、東京大学に奉職(1999〜2022)。生活習慣病の発症機序、骨格筋機能の解析などの基礎研究を食品科学応用へと結びつける研究を展開し、100名以上の修士・博士を輩出してきました。2022年より社会連携講座の特任教授として健康寿命延伸を食の力で達成するための生体内標的分子、食品成分の研究を進めています。東京大学総長補佐、日本農芸化学会会長などを歴任。2019年紫綬褒章受章。著書『健康寿命をのばす食べ物の科学』(ちくま新書)
  • 外国語 コースレベル選択の目安
  • 広報誌「早稲田の杜」
  • オープンカレッジ友の店