ジャンル 芸術の世界

中野校

仏像を読み解く―技法と保存修復の世界

  • 秋講座

岡田 靖(東京藝術大学教授)

曜日 土曜日
時間 13:10~14:40
日程 全5回 ・10月10日 ~ 12月12日
(日程詳細)
10/10, 10/24, 11/14, 11/28, 12/12
コード 330426
定員 24名
単位数 1
会員価格 受講料 ¥ 14,850
ビジター価格 受講料 ¥ 17,077

目標

・彫刻文化財の技法材料について学習する
・仏像の技法材料の研究手法について学習する
・文化財の保存修復の実態について学習する

講義概要

彫刻文化財を保存し、修復するためには、対象となる文化財の材料、構造、技法と劣化損傷の原因や要因を把握する必要があります。それらの把握のために、対象像を科学的に検証、分析する方法とともに、対象像を実際に制作することで検証する模刻研究や、実際の修復を通じて理解する方法があります。
本講義では、保存修復を通じて理解、把握した彫刻文化財の技法材料に関する世界的な変遷を概観しつつ、特に日本の彫刻文化財の代表例である仏像の技法材料研究の成果について紹介します。そして、保存修復を行う上で欠かせない保存修復の理論や個々の文化財の価値づけに関する見解について、ともに考えを巡らせてみたいと思います。

各回の講義予定

回 日程 講座内容
1 10/10 彫刻文化財技法材料概説 初回の講義では、彫刻文化財の技法材料に関する世界的な同異性について概観します。気候風土や政治的、文化的関係性に起因して展開された世界の彫刻文化財の歴史とその変遷を辿り、日本の彫刻文化財の位置づけについて学習します。
2 10/24 模刻研究から見る彫刻文化財技法材料 彫刻文化財の技法構造や劣化損傷の要因を理解するためには、対象像を自然科学的な手法で調査・分析した成果に基づいて、同質の材料、構造、技法を用いて実際に制作する模刻という検証方法が有効です。第2回では、東京藝術大学文化財保存学専攻保存修復彫刻研究室において実践してきた模刻研究の成果について紹介します。
3 11/14 復元模刻研究から見る彫刻文化財技法材料 時間の経過により彫刻文化財の彩色や部材が失われてしまったケースは多くあります。それらの失われた彫刻文化財の制作当初の様相を検証し再現する復元的模刻研究の手法は、対象とするオリジナルの文化財を改変することなく当時の様相を示す保存修復の一手法として有効です。第3回では、復元的模刻研究によって得られた成果について紹介します。
4 11/28 保存修復から見る彫刻文化財技法材料 模刻研究や復元的模刻研究によって培われた彫刻文化財への理解は、保存修復において大いに役立つ情報となります。そして実物の文化財を保存修復の実践を行うことで、より詳細な材料技法や劣化損傷のメカニズムを理解、把握することができます。第4回では、保存修復を通じて得られた技法材料研究について紹介します。
5 12/12 彫刻文化財の価値づけと保存修復 彫刻文化財の研究を通じて得られた材料、構造、技法に関する理解と、造形性、芸術性に関する理解は、美術史に対しても重要な情報を提供します。そして美術史的な位置づけは、彫刻文化財の歴史的、芸術的な価値を決める要素となります。ただし、彫刻文化財は宗教的な役割を有するケースが多くあるため、その価値はより多面的になります。最終の第5回では、彫刻文化財の価値づけによって異なる保存修復の課題について紹介します。

講師紹介

岡田 靖
東京藝術大学教授
東京藝術大学にて彫刻と文化財保存学を学び、イタリア留学、エジプトでの保存修復プロジェクト、日本の地域文化財の保存修復研究などを実践。同学保存修復彫刻研究室の教授として、模刻研究、復元的模刻、国内外の彫刻文化財の保存修復に関する研究および教育・指導にあたっている。
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